産経抄
米国の首都ワシントンでは先月末から、全米桜祭りが始まり、桜並木も見頃を迎えている。苗木はもともと日本から贈られ、長年日米友好の象徴となってきた事実はよく知られてきた。ただ、実現までには多くのハードルが存在した。・・・(音読:塚本美也子)
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焼き肉店を切り盛りしながら、3人の子供を育て上げた。50歳を過ぎて在日韓国人のオモニは、文字の読み書きから学び始めた。かつての不良少女は今、美容師をめざす。不登校が続いた少女は、ようやく自分の居場所を見つけた。山田洋次監督の映画「学校」(平成5年公開)によって、夜間中学の存在を知った人が少なくない。・・・(音読:塚本美也子)
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「日本最古の歌集であるだけでなく、ほとんどの日本文学研究者の意見では日本最高の歌集である」。今年2月に世を去ったドナルド・キーンさんは、『万葉集』をこうたたえていた(『日本文学の歴史』)。・・・(音読:加藤亜衣子)
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昨夜遅く、ついに新元号が、わかった。「いろいろと苦労しているようだから、これくらい教えてあげよう」と、取材で懇意になったある人が、そっと機密情報を漏らしてくれたのだ。さっそく、読者のみなさんにお知らせしよう。・・・(音読:峰田雅葉)
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女優の檀ふみさんは、甥(おい)が中学生だった頃に英語の家庭教師を引き受けた。ある日の授業で問題を出してみた。「エレガントは何の意味?」。甥は考え込んでいる。「私の姿を、日本語で上手に表すとしたら?」。・・・(音読:塚本美也子)
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これが漫才ならば「いいかげんにしろ」と、最後に相方を抑える場面だろう。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、大統領府に日本企業関係者らを招き、日韓関係の悪化を懸念する日本側に言い放った。「経済交流は政治とは別に見るべきだ。企業間の経済交流が活発になることを望む」。・・・(音読:峰田雅葉)
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ペンタゴン(五角形)の通称で知られる米国防総省の一角に「ネット・アセスメント(総合戦略評価)局」がある。スタッフはわずか20人ほど。・・・(音読:塚本美也子)
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戦国時代の名将、上杉謙信は最大のライバルだった武田信玄と14年もの間戦い続けた。信玄の死の報告を受けると、「敵の中の最も善き者」を失ったことに慟哭(どうこく)したという。・・・(音読:鈴木春花)
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「暗黒街の帝王」と恐れられたアル・カポネは、禁酒法下のシカゴで密造酒の製造を取り仕切り、巨万の富を築いていた。禁酒法違反や殺人の容疑では逮捕が難しい。米財務省の捜査官、エリオット・ネスは大きな壁にぶつかっていた。・・・(音読:峰田雅葉)
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囲碁界は、来月に史上最年少の10歳でプロ入りする仲邑菫(なかむら・すみれ)さんの話題で持ちきりだ。小欄は、昨年プロデビューしたやはり女流棋士の加藤千笑(ちえ)初段(17)にも注目している。男性棋士との対局を含めた昨年の公式戦は15勝6敗、今年も現時点で10勝5敗の好成績を収めている。・・・(音読:塚本美也子)
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「庭でふきのとうを二つばかり見つけたので、干しわかめの雑炊にふきのとうを散らして、いかの塩辛で食べる」「お米を倹約して、小麦粉とそば粉でホットケーキ。会社の人にもらったサッカリンを入れて焼いてみた」。・・・(音読:加藤亜衣子)
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イチロー選手が渡米から11シーズン余り在籍したマリナーズを去り、ヤンキースへ移籍したのは2012年夏だった。10年連続200安打の記録を残した球団の顔が定位置の約束もない名門になぜ渡るのか。米球界の七不思議として語られもした。・・・(音読:鈴木春花)
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「監督は絶対無理です。人望がない、本当に。それぐらいの判断能力は備えている」。現役引退を表明した米大リーグ、マリナーズのイチロー選手は21日深夜に始まった記者会見で強調した。不謹慎かもしれないが、平成20年9月の福田康夫首相の辞任記者会見を連想した。・・・(音読:塚本美也子)
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流線形や球形の奇抜な建築物が並ぶ、未来都市の印象だという。石油やウランなどの豊富な天然資源に恵まれた中央アジアの経済大国カザフスタンの首都、アスタナである。・・・(音読:峰田雅葉)
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アドルフ・ヒトラーがドイツの首相に指名された1933年、米英両国で一枚の写真が話題になっていた。被写体は、赤ん坊時代のヒトラーである。あざ笑うように分厚い唇をゆがめ、額には脂ぎったもじゃもじゃの髪が垂れていた。・・・(音読:加藤亜衣子)
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電子部品メーカー、東京電子工業を一代で築き上げたワンマン社長、石原修の急死で物語は始まる。長年側近として仕えてきた副社長の宮本正樹が、昇格するのが順当であり、本人も野心がないわけではない。・・・(音読:峰田雅葉)
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明治初年に日本に赴任していた清の外交官のなかに、黄遵憲(こう・じゅんけん)という詩人がいた。東京で初めて見た桜の花のあでやかさに感激していた。同時に、日本人が桜に抱く思いの強さに驚いている。・・・(音読:塚本美也子)
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横山秀夫さんの6年ぶりの新作『ノースライト』(新潮社)が話題になっている。警察小説で知られる著者が今度は建築家を主人公にした。題名は、北からの柔らかな光だ。それを取り込み設計した「Y邸」から、施主一家が忽然(こつぜん)と消える。・・・(音読:鈴木春花)
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「叱る」という字の旁(つくり)をなす「七」は鋭い刃で切ることを意味する。つまり口舌の刃(やいば)で相手に傷をつけること。さりとて一刀両断では相手の立つ瀬がないし、多言を弄して切り刻んでも恨みを残す。力加減が難しい。・・・(音読:加藤亜衣子)
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朝から、ついカップ麺を食べてしまう。NHKの連続テレビ小説「まんぷく」のせいである。即席ラーメンを生み出した夫婦を描くこのドラマを見たばかりに、数年ぶりにチキンラーメンにも手が伸びた。同商品の平成30年度の売上高は1日、ドラマの影響もあり最高記録を更新した。・・・(音読:鈴木春花)
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2017年は、航空機の歴史のなかで輝かしい年となった。ジェット旅客機の死亡事故がゼロとなったからだ。残念ながら、昨年に続いて今年もまたゼロとはならない。・・・(音読:塚本美也子)
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平成11年に74歳で亡くなった喜劇役者、三木のり平さんの本名は、田沼則子だった。「のりこ」ではなく、「ただし」と読む。「男に『子』がつくのはおかしい」。母親の言い分に、父親は耳を貸さなかった。・・・(音読:峰田雅葉)
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マンモスといえば、マンモス大学やマンモス団地のように、「巨大な」という意味で使われる。実際は、現在のアフリカゾウより少し小さかったらしい。全身を毛で覆われ、鋭い牙を持ち、北半球に広く生息していた。約1万年前に絶滅した原因は、まだわかっていない。・・・(音読:鈴木春花)
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マンモスといえば、マンモス大学やマンモス団地のように、「巨大な」という意味で使われる。実際は、現在のアフリカゾウより少し小さかったらしい。全身を毛で覆われ、鋭い牙を持ち、北半球に広く生息していた。約1万年前に絶滅した原因は、まだわかっていない。・・・(音読:加藤亜衣子)
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昨年の平昌五輪では、銅メダルを獲得した女子カーリング日本代表選手の「もぐもぐタイム」が、話題になった。まもなく、意外な事実が明らかになる。休憩中に選手が口にしていた韓国のイチゴのルーツは日本だった。・・・(音読:塚本美也子)
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時間は、ただ一つの方角へと流れている。「人生は後ろ向きにしか理解できないが、前を向いてしか生きられない」。デンマークの哲学者、キルケゴールの警句だという。あの日、あの時、あの場所で-と振り返ることはできても、流れの先に何が待つのかは、誰にも分からない。・・・(音読:峰田雅葉)
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本当の失望が訪れたときは、金王朝はおしまいだろう。トランプ米大統領は6日、北朝鮮が廃棄を約束したミサイル発射場の再建を進めているとの情報について「もしそうなら、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に非常に失望する」と述べた。当面は様子を見るというが、いつまで我慢するか。・・・(音読:塚本美也子)
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「PM2・5」が、日本で注目されるようになったのは、平成25年からだ。北京を含む中国各地で大気汚染が悪化して、死者も出た。直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子状物質は、呼吸器疾患を誘発するとされる。・・・(音読:鈴木春花)
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かつて「日産の救世主」ともてはやされた前会長、カルロス・ゴーン被告(64)の功績は、業績のV字回復にとどまらない。多くのファンが待望していた名車の復活も成し遂げた。・・・(音読:峰田雅葉)
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曹洞宗の開祖、道元は23歳のとき、宋の国に留学する。まだ港に停泊中の船に老いた僧が、日本のしいたけを買いにやってきた。禅寺で食事をつくる役職である典座(てんぞ)だった。・・・(音読:塚本美也子)
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駅前のスーパーの駐車場を利用するたびに気になっていた。「カラス侵入禁止」と書いてある張り紙である。冗談としか思えなかったが、最近ようやく謎が解けた。・・・(音読:加藤亜衣子)
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アフリカに生息する鳥の一種、クロオウチュウは信用を逆手に取るのがうまいと聞く。他の鳥や動物が獲物に群がるのを見張り、敵が近づくと高声で鳴いて危険を知らせる。たまに嘘の警告で鳥たちを追い払い、獲物を失敬するのが十八番らしい。・・・(音読:塚本美也子)
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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がお膳立てしたトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とのお見合いは今回、不首尾に終わった。文氏が米朝それぞれにささやいた甘い仲人口は、双方の期待をふくらませた分、罪深い。会談後のトランプ氏の記者会見の様子は、すっかり熱が冷めたようだった。・・・(音読:鈴木春花)
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「曲学阿世(きょくがくあせい)」という四字熟語がある。サンフランシスコ平和条約の締結に際して、吉田茂首相が南原(なんばら)繁東大総長を非難する際に使われた。中国前漢の武帝の時代に、袁固生(えんこせい)という老学者が、年下の公孫弘(こうそんこう)に対して、いましめた言葉だ。・・・(音読:峰田雅葉)
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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、「建国の起点」と位置づける「三・一独立運動」の100周年記念日が明日に迫った。日本統治下の朝鮮で1919年3月1日、京城(現ソウル)に集まった人々が独立を宣言し、デモが全土に広がった。・・・(音読:加藤亜衣子)
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「私は『かわいそうに』と言われることが一番嫌いです」。児童養護施設に暮らす女子高校生が、愛読している作家、有川浩(ひろ)さんに手紙を書いた。世の中に私たちのことを正しく知ってもらいたい。・・・(音読:鈴木春花)
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日本文学者のドナルド・キーンさんは、「東北に対する私の偏見」と題した講演を行ったことがある。日本に興味を持ち始めたころ、寒くて暗い印象を持っていたという。偏見を取り去ってくれたのが、松尾芭蕉の『奥の細道』である。昭和21年、米コロンビア大学の日本文学の授業で出合った。・・・(音読:塚本美也子)
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トランプ米大統領も狙っているノーベル平和賞は、とても無理だとあきらめたのか、物理学賞を本気で狙っているのだろう。あの鳩山由紀夫元首相が、北海道で起きた最大震度6弱の地震を「人災だ」と断定した。・・・(音読:峰田雅葉)
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その道の名人達者は、世界の見え方が凡下とまるで異なるらしい。▼「打撃の神様」と呼ばれたプロ野球巨人の川上哲治は、好調時に立つ打席で「ボールが止まって見える」と勇ましかった。空中で人間離れした技を繰り出す体操の内村航平選手は、体育館の天井や壁の景色を絵に描いて、記憶に刻みつけたという。どれほど体が回ろうと、自分の体がいまどの位置にあるか分かるのだ、と。時間さえもわが物にした人だけが、たどり着ける境地だろう。・・・(音読:加藤亜衣子)
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アレルギーという言葉は20世紀のはじめ、オーストリアで生まれた。かつて日本では、原因がわからない病気は何でもアレルギーと呼んでいた。・・・(音読:峰田雅葉)
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昭和50年5月に初来日したエリザベス英女王は、なかなかの日本通だった。歌舞伎の「黒子」の知識があり、楽焼の茶碗(ちゃわん)を手に取れば、即座に「ろくろ」と日本語を口にした。・・・(音読:加藤亜衣子)
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ノーベル賞のなかでも、平和賞だけはなぜこの人がと、しばしば疑問の声が上がる。「核なき世界に向けた構想と努力」を理由に、2009年に受賞したオバマ前米大統領もその一人である。米メディアは保守、リベラルを問わず、「早すぎる受賞」への懸念を示していた。・・・(音読:塚本美也子)
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「嘘というものはな、釣り針に似ている」。宮部みゆきさんの時代小説『桜ほうさら』で、主人公が父親の訓話を思い出す場面がある。釣り針には、魚の口に引っかかったら容易に外れぬように、返しがついている。「それでも抜こうと思うならば、ただ刺さっているときよりもさらに深く人を傷つけ、己の心も抉(えぐ)ってしまう」。・・・(音読:鈴木春花)
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学徒出陣で召集された若者の多くが、『万葉集』を携えていた。京都帝国大学文学部を繰り上げ卒業して海軍航空隊に入隊した、直木孝次郎さんもその一人である。・・・(音読:加藤亜衣子)
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俳優の杉良太郎さん(74)は初めてベトナムを訪ねた折、孤児院で1人の少女と出会った。30年近く前のことである。お土産のチョコレートには、手を付けようとしない。「早く食べなさい」。うなずく杉さんを、少女はじっと見つめてつぶやいた。・・・(音読:峰田雅葉)
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マッカーサーを気取っているのか。立憲民主党の枝野幸男代表は14日、自身が小学6年生の男児を子育て中だと語った上で、安倍晋三首相をくさした。「首相が小学6年生並みだ。下手をすると、うちの息子の方がまだましでないか」。安倍政権は子供じみているというのである。・・・(音読:塚本美也子)
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糖尿病で入院中の会社の先輩からメールが届いた。韓国による昨今の嫌がらせの数々に、怒り心頭に発している様子である。確かに韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長の暴言に至っては、一線を越えてしまった感がある。・・・(音読:鈴木春花)
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寄席の楽屋で耳よりな話を聞いた。家賃のいらない家があるというのだ。しかも長屋は新しく、電気も水道もある。喜んで引っ越したら、とんだ「なめくじ長屋」だった。もともと池だったところで、ジメジメしてナメクジと蚊の大群が押し寄せてくる。・・・(音読:塚本美也子)
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国際オリンピック委員会(IOC)の副会長を務めた清川正二(まさじ)さんは、講演でドーピング問題に触れるたびに話題にしていた。日本人女性初の金メダリストとなった兵藤(旧姓・前畑)秀子さんが飲み込んだ、神社のお守りの話である。・・・(音読:加藤亜衣子)
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文部科学相が「教育勅語」と口にしただけで目くじらを立てる方々は腰を抜かすかもしれない。戦前の歴史教科書は天照大神(あまてらすおおみかみ)から始まるのが定番だった。社内の資料室にあった尋常小学校教科書の復刻版を開くと、古事記や日本書紀に伝えられてきた日本国誕生の物語から始まる。・・・(音読:塚本美也子)
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