産経抄
まさに「雌雄を決する」という表現がふさわしい。1973年に米国で行われた、女子テニスの女王、ビリー・ジーン・キング夫人と男子の元世界王者、ボビー・リッグス氏の試合である。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
将棋でも囲碁でも、勝負の決着は静かにつく。対局者の表情からは、どちらが勝ったのか分からない場合がある。感情を面に出さないのが、プロ棋士のたしなみだからだ。スポーツの世界ではあり得ない光景である。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
銀行マンは取引先の会社を訪ねると3つの点に注意する。トイレ、廊下、予定表である。社員にやる気のない会社はトイレが汚い。商品や伝票は廊下に山と積まれ、予定表には雑なスケジュールしか書かれていない。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
憲法を改正し、自衛隊を憲法条文に明記すべきだとの考えは、何も安倍晋三首相の専売特許ではない。小紙(当時はサンケイ新聞)の昭和56年元日付の「年頭の主張」は訴えた。「このことこそ、現下の緊急にして最重要の政治案件である」。37年以上前から一貫している。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
明治維新後、蝦夷(えぞ)地は北海道と命名された。それから150年目に当たる今年、道内各地で記念事業が行われてきた。名付け親となったのが、幕末の探検家、松浦武四郎である。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は4日、レンジャーズ戦で、16号ソロホームランを放った。この日の大谷選手は「2番・指名打者」で出場していた。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
「青田買い」は本来、「稲が成熟する前に、収穫を見越して先買いすること」である。企業が人材獲得のために、卒業前の学生を早期に採用する。この意味で使われるようになったのは、高度成長期からだ。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
非常に強い台風21号が、本日昼ごろにも、西日本に上陸する。台風の進路予想図を確認するたびに願わずにはいられない。科学の力で進行方向をねじ曲げて、列島直撃を避けられないのか、と。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
「初サンマ1匹7万円」。7月の新聞でこの見出しを見たとき、今年も大好物はあきらめるしかないと、観念した。釧路港などに水揚げされたサンマの初セリで、1キロ当たり50万円という、過去最高値がついたというのだ。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
ことわざのパロディーにある。<前菜は忘れた頃にやってくる>(森真紀(まさのり)著、『悪妻盆に帰らず』)。居酒屋の先付けもフルコースの前菜も、遅れて来た一皿にはどこか憎めないものがある。他日の笑い話になる分、天災より罪が軽いからだろう。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
かつて新聞2紙の社説に「万死に値する」と名指しされた人物がいた。当時、首相在任中だった民主党の鳩山由紀夫氏である。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先をめぐり、当初は華々しく「最低でも県外」と唱えながら、迷走の果てに元の名護市辺野古案に立ち返った。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
1976年のモントリオール五輪の主役は、ルーマニアの「白い妖精」と呼ばれたナディア・コマネチさんだった。白いレオタードに身を包んだ14歳の少女は、史上初の満点を連発して、女子体操界に革命を起こした。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
人間は古来、真夏の暑さをしのぐ方法を探し続けてきた。「冷房の父」といわれる米国人、ウィリス・キャリアがエアコンを発明したのは、1902年である。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
先日、航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットの誕生が報じられていた。自衛隊の中でも花形とされる戦闘機パイロットから、さらに選び抜かれた精鋭集団が、「ブルーインパルス」である。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
26日、91歳で亡くなった米国を代表する喜劇作家、ニール・サイモン氏に対して、脚本家の三谷幸喜(こうき)さんは長年深い敬愛を抱いてきた。学生時代に、サイモン氏の代表作の一つ『おかしな二人』を観(み)て、劇作家を志したエピソードは演劇ファンに広く知られている。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
名探偵・金田一耕助が、作家・横溝正史の手によって誕生した地は、西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町である。昭和20年3月の東京大空襲で疎開を決意した横溝は、一家でこの地に引っ越した。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
国民の識字率が低かった頃、印刷物の漢字には全て振り仮名がついていた。難解な字の読み方を教えてくれる、親切で小さな活字を「黒い虫の行列」「ボウフラ」と嫌ったのは明治生まれの作家、山本有三である。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
自らのイデオロギーや独特の歴史観を端的に示している。共産党の志位和夫委員長は23日、ツイッターで昭和天皇を批判した。「中国侵略でも対米英開戦決定でも、(中略)侵略戦争拡大の方向で積極的に関与した」「戦争末期の45年(昭和20年)に入っても戦争継続に固執して惨害を広げた」。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
宅配便サービスの生みの親といわれる故小倉昌男さんは、ヤマト運輸の会長を退任すると福祉の世界に飛び込んだ。現場を歩くと、障害者の月給があまりにも安いことに衝撃を受ける。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
作家の故丸谷才一さんは街を歩くと、道に迷ってばかりいた。煙草(たばこ)屋がなくなったせいだという。かつて看板娘だの看板婆だのが座っているのが、目印になった。自動販売機では印象に残らない。丸谷さんは自販機に対して、「かなり明確な悪意をいだいてゐる」。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
第100回全国高校野球選手権大会は、大阪桐蔭が史上初となる2度目の春夏連覇を達成して終わった。もっとも、大会の話題をさらったのは、準優勝の金足農である。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
夏休みを利用して、実家の片付けに精を出す人も少なくないだろう。熊本県山都町(やまとちょう)に住む松岡忠明さん(75)が、父親の明さんの遺品整理をしていると、160通もの手紙やはがきが出てきた。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
「おい、小池!」のキャッチコピーが入った指名手配写真のポスターは、大きな話題を呼んだ。徳島県警が呼びかけている相手は、小池俊一(としかず)容疑者である。平成13年4月に発生した徳島市の父子連続殺人・放火事件で指名手配されていた。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
江戸末期に笠亭仙果(りゅうてい・せんか)という人が編んだ『武稽(ぶけい)百人一首』の歌にある。〈兵法の奥義は人と争はず…〉。それが、わが身の安全を保つ術(すべ)だと説いている。目角を立てずいさかいの煙も立てるな、と。確かに、無用な血を流さずに済む最善の策だろう。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
宣伝するみたいだが、毎朝、小紙「話の肖像画」欄に連載中の史家、渡辺京二さんの話を読むのが楽しみである。17日に載った4話では、日本の悪口を言いたがるインテリをこう突き放していた。「自分が偉くなったような気になったり、喜々としていたりする態度には嫌悪感を覚えます」。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
「茶坊主」は普通、悪口として使われる。実は室町・江戸幕府のれっきとした職名である。しかも大名たちへの湯茶の接待だけが、仕事ではない。江戸城内の多くの座敷に自由に出入りでき、情報通で顔も広い茶坊主は、大名から頼りにされた。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
「東京でも以前はよく子供がいなくなった」。迷子や神隠しに関心を寄せていた日本の民俗学の創始者、柳田国男は、『山の人生』でこう書いている。「この場合には町内の衆が、各一個の提灯(ちょうちん)を携えて集まり来たり、夜どおし大声で喚(よ)んで歩くのが、義理でもありまた慣例でもあった」。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
73回目の終戦の日を迎えた。今年も戦争体験の記録集『孫たちへの証言』(新風書房)が送られてきた。第31集となる。戦場体験を寄せる人は卒寿を超える。70代以下の人には、「記憶違い」が目立つようになった。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
CHANGEのGの字の右端を消すと、CHANCEとなる。先週のコラムで紹介すると、早速読者から指摘された。「一言付け加えると、言葉の意味が深くなります」。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
お知らせ
いつも「産経抄」音読記事を御覧いただき、ありがとうございます。
8月14日(火)、15日(水)付の「産経抄」音読記事は、両日アップをお休みし、16日(木)朝にまとめて公開させていただきます。
※8月12日は休刊日のため、13日(月)の記事アップはありません。
恐れ入りますが、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
産経抄
夏の甲子園が始まると、作詞家の阿久悠さんは球児をテーマに1日1編の詩を書いた。詩には短い所感を添えて、『甲子園の詩(うた)』と題してスポーツニッポンに寄稿した。昭和60(1985)年8月15日に書かれた文は、その余韻とともに忘れがたい。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
例えると、取締役会で現職社長の解任動議を出しておきながら、否決されても「ノーサイド」(敵味方なし)で行きましょうと予防線を張っているようなものか。10日、自民党総裁選への出馬を表明した石破茂元幹事長の言い分のことである。政治の世界はそんなに甘いものなのだろうか。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
老舗の製菓会社が、企業イメージを上げるプロジェクトチームを立ち上げた。リーダーを任されたコピーライターは役員の前で、ホワイトボードに6つのアルファベットを書いた。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
一昨日のコラムで取り上げた小紙の連載記事「わたしの失敗」には、俳優の津川雅彦さんも登場する。主演した映画が「大コケ」したり、不倫スキャンダルで仕事を干されたりと、失敗話に事欠かない。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
後に「フレンチの神様」と呼ばれるようになるシェフのジョエル・ロブションさんが初めて日本を訪れたのは、昭和51(1976)年である。まず、空港でエスカレーターの手すりを拭いている人を見て驚いた。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
著名人のサクセスストーリーは、世の中にいくらでもころがっている。むしろ手痛い失敗にこそ、貴重な教訓が含まれている。かつての小紙の連載記事「わたしの失敗」はこんなアイデアで始まり、各界を代表する人物への取材は200人近くに及んだ。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
広島に原爆が投下された朝、作家の原民喜(たみき)は、自宅の便所にいた。突然、頭上に一撃が加えられ、目の前が真っ暗になった。縁側から、川の方に向かって逃げた。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
米国で人気のショー番組が、日本でも放送された。昭和30年代のことである。舞台の上では、やんちゃな男の子が自慢の喉を披露していた。音程などおかまいなし。度胸満点の熱唱に、司会者が言った。「坊や、元気なのはいいけれど、歌うときだけは、五線譜の中で歌おうね」。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)が紛れもない日本領であることについて、島根県職員の田村清三郎さんが『島根県竹島の研究』として1冊の本にまとめたのは昭和29年のことだった。資料に基づき、隠岐島の古老の証言も取り入れて韓国側の主張を明確に退ける同書は、40年に改訂版が発刊された。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
明治は「女子に教育はいらない」という時代。昨日の「日本史ナナメ読み」で、本郷和人さんが書いていた。まして「女子が医者をめざすなどもってのほか」の風潮が強かった。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
殷王朝の最後の王、紂(ちゅう)は、長い中国の歴史の中でも暴君の代表とされる。中国文学者の井波律子さんによると、無能な天子ではなかった。ただ、贅沢(ぜいたく)の限りを尽くし、周に滅ぼされる。「庭園に酒を満たした池を造り、樹木に干した肉を引っかけて肉の林とした」。後に「酒池肉林」の故事で知られるようになる(『酒池肉林 中国の贅沢三昧』)。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
海上自衛隊の新型イージス艦が、「まや」と命名された。神戸市灘区の六甲山地中央に位置する摩耶(まや)山に由来する、と聞いて、堀江ひとみさんを思い出した。たった一人で暴力団に立ち向かった女性として、記憶している人も少なくないだろう。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
1996年のアトランタ五輪の開会式は、クライマックスを迎えようとしていた。聖火台の前に現れたのは、誰も予想していなかったボクシングの伝説のチャンピオンである。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
宇宙飛行士の土井隆雄さんは1997年、米スペースシャトルで日本人初の船外活動(宇宙遊泳)を行った。帰国後の会見の冒頭、シャトル内で作ったという日の丸弁当の写真を披露した。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
明治時代の新聞では、奇談の類いもニュース価値があったらしい。同10年の記事が、夜空の話題を報じている。「このお星様を拝んでおきな。きツといいことがあるぜ。第一喧嘩(けんか)をしても人に負けるやうなことはないぜ、と空を眺めながらいふ」。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
通勤途上や帰宅途中に、道交法違反の自転車運転を目撃しない日はまずない。一方通行道路の逆走、傘さし運転、夜間の無灯火運転…。「急に飛び出してくる自転車は怖い。ぶつかったら車が悪者にされる」。先日利用したタクシーの運転手が嘆いていた。信号無視の自転車を慌ててよけた際のことである。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
「カミソリ」の異名を持つ後藤田正晴氏が、宮沢喜一内閣で法相に就任したのは、平成4年12月である。翌年3月、3年4カ月ぶりの死刑執行に踏み切り、賛否の大きな議論を巻き起こした。・・・(音読:塚本美也子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
徳川家康といえば、何より我慢のイメージが強い。といっても、けっして戦いを忌避したわけではない。桶狭間の戦いから、天下分け目の関ケ原の戦いまで、合戦だらけの生涯だった。・・・(音読:峰田雅葉)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
熱中症という言葉は、明治時代から知られていた。「気温ノ直接作用ニ起因スル疾病ハ日射病及熱中症是ナリ」。森林太郎(鴎外)が明治30年に共著した『衛生新篇』の中に記載がある。もっとも、当時の日本人は40度を超える猛烈な暑さを知らないはずだ。・・・(音読:加藤亜衣子)
Podcast: Play in new window | Download
産経抄
テレビ東京系列で放映されている「池の水ぜんぶ抜く大作戦」を見るたびに驚かされる。在来の生き物を食い荒らす、ブルーギルやカミツキガメといった「特定外来生物」の脅威は想像を超えていた。・・・(音読:鈴木春花)
Podcast: Play in new window | Download