
産経抄
「ゴールデンウイーク」(GW)は、もともと、映画界から生まれた言葉である。昭和23年の祝日法施行によって、4月末から5月初めに祝日が集中した。映画会社はこの時期を狙って、大作の公開を競いあった。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
エンブレムが問題になるのは、日本だけではないらしい。1994年、第3回ラグビーW杯の自国開催を翌年に控えた南アフリカでは、代表チームのエンブレムを変える動きがあった。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
昨年10月、江戸時代から続く秋の大祭「長崎くんち」の当日だった。長崎県諫早(いさはや)市に住む瀬川雅臣さん(73)と登美子さん(72)夫婦のもとに、久しぶりに娘や孫たちが集まり、写真館に出かけることになった。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
安全保障関連法の審議を見守る中で、思い浮かべた名があった。幕末の長州藩で対外政務を切り回した長井雅楽(うた)である。鎖国攘夷(じょうい)で沸く世論を前に、開国や欧米列強との交易を歯切れよく説いたその人を、司馬遼太郎は指折りの才物に挙げている。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
哲学者、ニーチェはこう喝破している。「狂気は個人にあっては稀有(けう)なことである。しかし、集団・党派・民族・時代にあっては通例である」。安全保障関連法案をめぐるここ数日の国会の与野党攻防などを眺めていて、この警句を思い浮かべた。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
物事の筋道を示す「条」の字は、みそぎをして身を清める意味の「條」を略したものという。白川静氏の『字統』に教わった。憲法をはじめ六法の五体をなす個々の文を条と数えるのも、なるほど理にかなっている。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
歌手の岩崎宏美さんは、小紙のインタビュー記事で父親について語っている。製材機械製作会社の経営者だった父親は、宏美さんがオーディション番組で優勝してデビューが決まったとき、あくまで反対した。テレビで見ていたのに、「俺は聞いてない」。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
国連人権理事会と聞くと、苦い記憶がよみがえる。まだ国連人権委員会と呼ばれていた1996年に発表された、クマラスワミ報告書の印象が強いからだ。スリランカ出身の女性法律家がまとめた報告書は、慰安婦を性奴隷と決めつけ、日本政府を厳しく批判していた。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
NHKの「ドキュメント72時間」は、お気に入りの番組の一つである。先週末は、24時間営業のファミリーレストランを舞台に、さまざまな人間模様をカメラが追っていた。深夜、仲間と食事をしていた、解体業を営む若者の言葉が印象に残った。高校を中退し、非行に走りかけた時期もある。今は、通信制の高校に通い、警察官をめざしている。「だれかの役に立ちたい」からだという。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
旧暦の2月、8月に列島を襲う風の猛威を、先人は「二八月荒れ右衛門」と恐れた。「八月」の風は今の9月に訪れる台風を指す。気象の格言にも雨風にちなむものが多い。いつ崩れるとも知れぬ空模様への備えが、人々の心を占めた証しだろう。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
朝日新聞の木村伊量(ただかず)社長(当時)が緊急記者会見を開き、東京電力福島第1原発所長だった吉田昌郎さんの聴取結果書「吉田調書」の記事と、慰安婦問題をめぐる一連の誤報について謝罪したのは昨年の9月11日のことだ。政府がそれまで非公開としていた吉田調書を公開した当日夜だった。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
群馬、長野の両県をまたぐ碓氷(うすい)峠に、昔あった歌碑だという。上の句に〈八万三千八三六九三三四四一八二〉とあり、下の句にも漢台風に伴う雨によって、多摩川の増水が続いていた。川沿いに住む元筑波大教授の横山十四男(としお)さんは、避難命令に従って、近くの中学校に移った。もっとも、すぐ帰れるだろうと、何も持ち出さなかった。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
昨年7月に92歳で亡くなった大久保房男さんは、「純文学の鬼」と呼ばれた編集者だった。文章の「てにをは」にまで細かい注文をつけられ、憤慨した作家は数知れない。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
中国の官吏登用制度「科挙」が始まったのは、6世紀の終わり、隋の時代である。地方貴族の力を抑え、万人のなかから有為の人材を試験で選び登用するのが目的だった。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
米国は移民の国である。1820年に最初の移民統計が取られて以来、受け入れた移民の数は、6000万人を超えるという(『異文化社会アメリカ』示村(しめむら)陽一著)。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
東京・JR目黒駅前では昨日、白い煙が上がり、食欲をそそる香りが立ちこめていた。岩手県宮古市で水揚げされたばかりのサンマ7000匹が、無料で振る舞われた。20周年を迎えた「目黒のさんま祭り」は、大盛況だった。今年のサンマはやや小ぶりだが、脂がのっているという。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
群馬、長野の両県をまたぐ碓氷(うすい)峠に、昔あった歌碑だという。上の句に〈八万三千八三六九三三四四一八二〉とあり、下の句にも漢数字の並ぶ風変わりな歌である。「山道は寒く寂(さみ)しし一つ家(や)に」と読んで意味をなす、語呂合わせの一首らしい。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
一定の共通認識という土台がないと、議論も対話も成り立たない。歴史問題が面倒なのは、認識の共有それ自体が難しいことにある。歴史は「勝者が書く」といわれる不平等なものであるだけになおさらだ。かくて、正義の戦勝国を僭称(せんしょう)する歴史修正主義国が現れる。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
先月末、国会議事堂周辺で行われたデモの参加者は、安全保障関連法案に反対しているだけではないらしい。デモに適した大きな広場が日本にないのはけしからん、との声も耳にする。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
東京駅開業100周年を記念したIC乗車券Suica(スイカ)が、ようやくわが家に届いた。JR東日本が昨年末、東京駅で限定発売したところ、窓口に客が殺到して大混乱に陥った、いわくつきの一枚である。販売を一旦打ち切り、増刷して購入希望者全員に発送していた。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
雨が降ったり、やんだり、ここしばらくお日様を拝んでいない。残暑を経験しないまま、秋を迎えそうだ。あの猛暑は、なんだったのだろう。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
小学6年生の准一(じゅんいち)は、転校生の佳純(かすみ)がクラスメートからいじめを受ける現場を目撃する。同じミステリー作家のファンだとわかった2人は、作家の秘密を探り始めた。福田隆浩(たかひろ)さんの児童文学『ふたり』(講談社)では、図書館が重要な舞台となる。大人の入り口に立つ2人を、いじめから守り、ぎこちない初恋をはぐくむ場を提供している。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、韓国中部の農家に生まれた。朝鮮戦争が勃発し、村が炎に包まれたとき、6歳だった。・・・(音読:岡本由季)
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産経抄
外は炎天、ある婦人が店で扇子を求めた。高価な品に安価な品、中間の品と3種ある。安い扇子を手に入れ、店を出た婦人は10分とたたず戻ってきた。顔を真っ赤にして言うには「すぐ壊れてしまったじゃないの」。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
この人はいったい、何がしたいのだろうかとため息が出た。戦後70年の安倍晋三首相談話について27日の講演で、「日中、日韓の関係改善のきっかけにはならない」「中国はいつまで我慢できるか」「韓国は残念な思いをしている」などと批判した河野洋平元衆院議長のことである。・・・(音読:岡本由季)
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産経抄
いつの世も探求心に足の生えたような人はいる。50歳を前に隠居して江戸に出た伊能忠敬は、天文・暦学に精を出し、地球の円周を測る作業に熱を上げた。アナログの手法である。浅草-深川間の距離を歩いて測り、天体の位置をからめて割り出した。約3万5500キロという。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
実業家だった故ケネディ元米大統領の父親は、いささか眉唾(まゆつば)ものの逸話を残している。ある日、ウォール街で、靴磨きの少年が相場を話題にするのを耳にした。・・・(音読:岡本由季)
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産経抄
映画007シリーズ第2作『ロシアより愛をこめて』は、いかにも、冷戦の最中らしいストーリーである。英国の諜報部員、ジェームズ・ボンドは、亡命希望のソ連の女スパイとともに、トルコのイスタンブールから特急列車に乗り込んだ。2人に襲いかかる正体不明の殺し屋と、死闘を繰り広げる。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
1945年9月2日は、日本政府が第二次世界大戦の連合国に対して、降伏文書に調印した日である。中国はなぜか、翌日の3日を「抗日戦争勝利記念日」とし、70周年に当たる今年から休日にしている。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
地面に落ちたコウモリがイタチに捕まった。「羽のあるものは、みな敵だ」と大きく口を開けるイタチにコウモリは懸命に弁じた。「私は鳥ではない、ネズミだ」。得心したイタチに放免され、虎口を逃れている。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
母親が中学1年の息子に、部屋が汚いことを注意すると、罵声が返ってきた。「うるせえんだよ、おふくろは。あっちに行ってろ!」。母親は怒るどころか、その晩赤飯をこしらえた。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
中国や韓国をはじめ、日本の近隣には厄介な国が多い。ロシアのメドベージェフ首相はきょうにも、北方領土に上陸する可能性があるという。そうなれば、年内に予定されるプーチン大統領の訪日も遠のきかねない。いつになれば北方領土は帰ってくるのか。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
平成17(2005)年の「郵政選挙」で自民党は大勝し、83人もの新人議員が誕生した。いわゆる「小泉チルドレン」のなかで、メディアの注目を一身に集めたのが、当時26歳の杉村太蔵氏だった。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
タイといえば、「微笑(ほほえ)みの国」というキャッチフレーズがまず思い浮かぶ。タイを訪れた人は、誰もが納得するらしい。ただ、北部のチェンマイ大学で日本語講師をしていた作家の高野秀行さんにとって、この笑みは「くせもの」だった。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
米グレンデール市(カリフォルニア州)で慰安婦像の撤去を求め活動している南カリフォルニア大学元教授の目良浩一さんによると、米国において「慰安婦=性奴隷説」は依然、蔓延(まんえん)しているそうです。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
メッキなどに使われるシアン化ナトリウムは、青酸ソーダとも呼ばれ、毒性が強い。その存在が一般にも知られるようになったのは、昭和52(1977)年に起きた青酸コーラ事件からだろう。東京、大阪で高校生らが死亡した、無差別殺人事件である。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
酸鼻極まるフィリピンの戦場で、野戦病院に送られた傷病兵たちの間に「軍旗の下に帰ろう」の合言葉が行き交った。日本の非勢が明らかな、先の大戦末期の話である。戦いに殉じる腹を固めた人たちにとって、ともに砲煙をくぐり抜けた軍旗は最後のよりどころであったろう。・・・(音読:辻留奈)
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産経抄
厳粛な空気の下で静かに戦没者に祈りをささげたい終戦の日を前に、元首相の肩書を持つ道化師がいらぬ雑音をかき鳴らした。12日から13日にかけ、韓国で土下座パフォーマンスを披露し、相手国がもういいと許可するまで「おわび」を続けるべきだと述べた鳩山由紀夫氏のことである。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
長崎・川棚の臨時魚雷艇訓練所の学生全員が集められたのは、昭和19年4月だった。特殊兵器要員の募集である。その夜、小俣嘉男さんは教官の部屋に呼ばれ、半紙に血で書かれた志願書を見せられた。・・・(音読:辻留奈)
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九州電力にとって、川内(せんだい)原発1号機の再稼働までの日々は、まさに茨(いばら)の道だった。福岡市の九電本社には、反原発を訴える団体が押しかける。会議室で応対した九電社員に、「社長が出てくるまでここで立て籠(こ)もるぞ」と言い放ち、「籠城(ろうじょう)」が4時間を超えたこともある。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
坂本九さんが歌う『上を向いて歩こう』が、『スキヤキ』のタイトルで、米国でのヒットチャート1位に輝いたのは、昭和38(1963)年だった。この年の大晦日(みそか)、坂本さんが『見上げてごらん夜の星を』を熱唱した紅白歌合戦の視聴率は、史上最高の81・4%を記録する。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
作家の宮城谷昌光(みやぎたにまさみつ)さんは、中国・春秋時代の「名臣」の一人に、呉の伍子胥(ごししょ)を挙げている。父の伍奢(ごしゃ)は、楚王の子の教育係を務めていた。王は、佞臣(ねいしん)の讒言(ざんげん)を聞き入れて伍奢を捕らえ、さらに、子供たちを呼び寄せていっしょに殺そうとする。・・・(音読:岡本由季)
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産経抄
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比(ころ)わろき住居(すまひ)は、堪へ難き事なり」。『徒然草』の一節は、夏の暑さと懸命に闘ってきた、日本人の知恵の一例として、あまりにも有名だ。・・・(音読:塚本美也子)
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原爆投下から間もない長崎の街に、「75年は生息不可能」の流言が伝わった。爆心地でアリの群れが見つかったのは爆撃から3週間後、ミミズが姿を現したのは1カ月後だったという。かの地で被爆した永井隆博士が『長崎の鐘』に記している。・・・(音読:岡本由季)
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産経抄
人気作家、誉田哲也さんが剣道少女たちの成長を描く連作小説の6年ぶりの新刊「武士道ジェネレーション」に、大学に進んだ主人公が日本史の初講義に幻滅する場面がある。教授がいきなり慰安婦問題や南京事件を取り上げ、「昨今の歴史修正主義的な考え方」への批判をぶちだしたのだ。・・・(音読:塚本美也子)
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桜井俊(しゅん)氏の総務次官就任は、テレビのワイドショーでも取り上げられた。アイドルグループ「嵐」のメンバー、翔(しょう)さんの父親だったからだ。94歳の大往生を遂げた作家の阿川弘之(ひろゆき)さんも晩年は、テレビで活躍する長女の佐和子さんの父親と、紹介されることが多かった。・・・(音読:峰田雅葉)
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猛暑がこれだけ続くと、水のありがたみを再認識する。70年前の今日、広島では「命の水」とも呼ぶべき存在だった。爆心地から約2・5キロ離れた浄水場の送水ポンプ室は、原爆の爆風で屋根が吹き飛び、電動ポンプもすべて停止した。非番で広島駅に出かけていた水道局職員の堀野九郎さんは、大けがをしながら、現場に駆けつけた。・・・(音読:辻留奈)
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ニューヨーク在住の僧侶、中垣顕實(けんじつ)さんが、米国に来たばかりのころの話だ。シアトルでお釈迦様の誕生をお祝いする「花まつり」の法要のために、菊の花で卍(まんじ)の形を作っていた。すると、日系2世のメンバーが「だめだ!」と血相変えてやってきた。・・・(音読:岡本由季)
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産経抄
フランス革命とナポレオン戦争によって、ヨーロッパは大混乱に陥った。1814年9月から始まったウィーン会議は、その秩序の回復を目的に開催された。当初は2カ月程度で合意に達するとみられた会議は、意外にも紛糾を重ねる。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
加藤武さんは、親友の小沢昭一さんにいわせれば、「生粋の江戸人、というより江戸土着民」(『昭和悪友伝』)。東京・築地に生まれ、父親は魚河岸の仲卸業をしていた。毎月、歌舞伎座や東劇の切符が届き、幼い頃から、芝居見物を楽しんでいた。・・・(音読:峰田雅葉)
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