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陸軍将校らがクーデターを起こした昭和11年の二・二六事件から、もう81年がたつ。「あのころ、マルクス理論の本などを読んでいる将校がかなりおりましたよ」。地方紙、夕刊フクニチ(現在は休刊)の創設者、浦忠倫は日本新聞協会のインタビューに、東京の歩兵第一連隊に勤務していた当時の空気をこう証言している。・・・(音読:峰田雅葉)
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93歳の大往生を遂げた映画監督の鈴木清順さんは、東京下町の商家に生まれた。「リンゴが腹いっぱい食えそうだ」。食料不足が深刻になった昭和18年、旧制弘前高校に進学したきっかけは、同級生の一言である。・・・(音読:鈴木春花)
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ヒトラーを風刺するチャプリンの映画「独裁者」が公開されたのは、第二次大戦の最中である。ナチス・ドイツは、撮影段階からさまざまな妨害活動を行ってきた。・・・(音読:塚本美也子)
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本日は「漱石の日」である。といっても、文豪の誕生日でも忌日でもない。明治44(1911)年のこの日、44歳の漱石が世間を騒がせた出来事に由来する。胃潰瘍で入院中だった漱石の留守宅に、文部省から突然届いた証書がきっかけだった。・・・(音読:峰田雅葉)
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本日は「漱石の日」である。といっても、文豪の誕生日でも忌日でもない。明治44(1911)年のこの日、44歳の漱石が世間を騒がせた出来事に由来する。胃潰瘍で入院中だった漱石の留守宅に、文部省から突然届いた証書がきっかけだった。・・・(音読:佐藤友紀)
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ロードムービーと呼ばれる映画のジャンルがある。主人公が旅の途中で遭遇したさまざまな出来事を描いていくものだ。青森県鶴田町の道の駅で先週末、地元の警察に逮捕された18歳の少年は、旅の途中でどんな人たちと出会い、何を思ってきたのだろう。・・・(音読:鈴木春花)
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1カ所だけ、音符の置き場に迷った。〈投げて届かぬ思いの糸が…〉の「ぬ」を、一音上げるか上げないか。作曲家の船村徹さんは数日悩んだ末に、一音上げた譜面を美空ひばりさんに渡している。最後のシングル曲となった『みだれ髪』である。・・・(音読:塚本美也子)
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南方向へと歩くのが大変なくらいだった。気象庁は17日、関東地方などで「春一番」が吹いたと発表した。気象庁によると、横浜市で最大瞬間風速22・7メートルを観測するなど、ちょっとした台風並みの強風となった。「春一番自転車あまた薙(な)ぎ倒し」(芝宮須磨子)。・・・(音読:峰田雅葉)
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徳川幕府の5代将軍綱吉の前で、自作の恋の歌とダンスを披露した外国人がいた。博物学者のケンペルである。同じドイツ人のシーボルトより130年も前の元禄3(1690)年に来日し、2年間滞在した。・・・(音読:佐藤友紀)
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1940年8月、メキシコ市郊外にある邸宅の書斎に、ロシア革命の立役者の一人、トロツキーの姿があった。政敵のスターリンによって国外追放され、11年余りの漂流の末に、この地に逃れていた。・・・(音読:鈴木春花)
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「からくり儀右衛門」の愛称で知られる田中久重は、発明家として幕末から明治にかけて活躍した。蒸気機関や電信機からアームストロング砲まで開発している。・・・(音読:峰田雅葉)
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今や日本一有名な記者といっていいフリージャーナリストの池上彰さんは、小学生の頃から「地方記者」に憧れていた。NHKに入局後、望み通り松江放送局に配属され、3年後には広島県呉市の通信部に移る。瀬戸内海の島の運動会を撮影中の出来事である。・・・(音読:塚本美也子)
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子連れの母牛が日暮れどきに草をはんでいた。見張りの牧童は、牛の親子を牛舎へ戻さず帰ったらしい。そこへ子牛を狙うオオカミが現れた。母牛は頭突きを食らわせ、切り立つ崖に敵の横っ腹を押しつけた。・・・(音読:佐藤友紀)
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10日付小紙では政治面のミニニュースという小さな扱いだったが、その意味は小さくあるまい。鉄鋼や造船、建設などの産業別労働組合の「基幹労連」が、昨年4~5月に組合員の支持政党を調査したところ、自民党が約23%で、民進党の約18%を上回っていたのだという。・・・(音読:塚本美也子)
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故城山三郎さんは、40歳からゴルフを始めた。不眠症の治療のために、医師から勧められたという。ゴルフは健康を取り戻してくれただけではなく、交友関係を広げてくれた。作家として人間観察の場でもあった。・・・(音読:峰田雅葉)
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「ゆとり教育」の旗振り役となり、後に「ミスター文部省」と呼ばれるようになる寺脇研さんは、昭和50年に入省している。まず驚いたのは、全省規模で職員が参加するレクリエーションの多さだった。・・・(音読:佐藤友紀)
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史上最強の名人と呼ばれた大山康晴十五世名人は、昭和51年から12年間、日本将棋連盟会長を務めている。関西将棋会館の建設が懸案だった。大山さんは対局中でも、相手が長考に入るとすぐに席をはずし、カンパ用の色紙を書いたり、資金集めの会議を開いたりしたものだ。・・・(音読:峰田雅葉)
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日本とアイルランドがまもなく、外交樹立60周年を迎えるという。それにまつわる「秘話」を紹介した、昨日の岡部伸記者の記事で、懐かしい名前を見つけた。・・・(音読:塚本美也子)
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文芸記者だった小欄の先輩が、新聞連載の仕事で曽野綾子さん宅へ通い始めた頃の話である。用件が終わると、夫の三浦朱門さんが必ず顔を出す。美貌の奥さまに焼きもちをやかれているのではないか、と思ったそうだ。「誤解」はすぐに解けた。・・・(音読:鈴木春花)
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才能の光る季節は人それぞれに異なるものだろう。人生を四季にたとえれば、春浅い頃に花開く人は「早熟」と呼ばれる。秋から冬にかけてつやを現す器には、「晩成」の名がつく。・・・(音読:峰田雅葉)
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「自転車は車道の左端を走ってください」。3日朝の通勤時、地元自治体の交通安全パトカーがこう呼びかけながら通り過ぎた。確かに自転車のマナー違反、いや明らかな道路交通法違反を目撃しない日はまずない。一方通行道路の逆走、夜間無灯火、携帯電話をいじりながらの危険運転…。・・・(音読:鈴木春花)
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李氏朝鮮の名宰相、柳成龍(リュ・ソンニョン)は、豊臣秀吉による朝鮮出兵から国を守り抜いた。昨年5月、韓国に帰った当時の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、救国の英雄の旧宅に立ち寄り、記者団にこう語った。・・・(音読:塚本美也子)
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信州財界の巨頭、犬神佐兵衛は、奇妙な遺言書を残して没した。全財産を恩人の孫に譲る。ただし、佐兵衛の3人の孫の一人と結婚しなければならない、というのだ。しかも3人の母親は、腹違いの姉妹である。・・・(音読:佐藤友紀)
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昭和30年の初夏、横浜のデパートの屋上に2台の電動木馬が設置された。30歳の中村雅哉さんは、毎朝木馬を磨いて客を待つ。子供が乗りたそうなそぶりを見せると、すかさず愛想を言う。「なかなか元気なお坊ちゃんですね」。・・・(音読:峰田雅葉)
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米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に降り立った時、母国ではクーデターが発生していた。パスポートは失効して、入国も出国もできなくなる。・・・(音読:鈴木春花)
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太宰治の『雪の夜の話』という作品に、人間の目玉の話が出てくる。デンマークの医師が、若い水夫の水死体を解剖すると、網膜に美しい一家団欒(だんらん)の光景が残されていた。友人の小説家はこう推理する。・・・(音読:塚本美也子)
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飲料水が日本でビジネスになった歴史は存外古い。「水道の水で産湯を使い」とは江戸っ子の水自慢である。神田上水や玉川上水が暮らしを潤した17世紀半ばには、「水売り」と呼ばれる商売が成り立ったらしい。・・・(音読:佐藤友紀)
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天皇陛下の譲位をめぐる議論が主要テーマとなった26日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が戒めた語句が耳に残った。「それはまさに、玉座(ぎょくざ)を胸壁となすことにつながっていく」。立法府たる国会の場で、陛下のお言葉を引用することには、慎重でなければならないとの指摘である。・・・(音読:塚本美也子)
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慰安婦問題を扱った学術書『帝国の慰安婦』をめぐる裁判で、著者の大学教授に無罪が言い渡されたのは意外だった。これまで、日本との歴史問題にからんだ裁判では、国民感情におもねる異様な司法判断が続いてきたからだ。・・・(音読:峰田雅葉)
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先頃、駐日米大使の務めを終えたキャロライン・ケネディ氏は、平成26年9月に、山形県米沢市を訪れている。江戸時代の名君として知られる米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)ゆかりの地である。・・・(音読:鈴木春花)
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作家の開高健さんは、アマゾンの釣り紀行『オーパ!』のなかで、中国の古諺(こげん)を紹介している。「一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい…永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」。・・・(音読:塚本美也子)
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徳川家康は75歳の天寿を全うした。当時としては驚くべき長命を可能にしたのは、医薬に寄せる関心の深さだった。医学の歴史に詳しい作家の山崎光夫さんによると、家康はいくつかの秘薬の復元にも成功している・・・(音読:佐藤友紀)

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相撲部屋の朝稽古は通常午前11時には終わる。もっとも、かつての鳴戸部屋では、午後1時頃まで続くのは当たり前だった。朝4時に起きた位の下の力士には、まだ関取衆のちゃんこの給仕などの仕事があり、昼寝の時間がなくなる。「稽古中に立ちながら寝てしまうこともしょっちゅうだった」。・・・(音読:峰田雅葉)
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処世訓として、あるいは企業経営の肝として、「着眼大局、着手小局」という言葉をよく耳にする。まず全体を見渡しなさい。その上で目の前の問題に取り掛かりなさい。「鳥の目、虫の目」に通じるものがある。・・・(音読:佐藤友紀)
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2、3年前、韓国外務省の元幹部と慰安婦問題について議論したことがある。「果たして韓国は法治国家なのかという批判も耳にする」。こう語った彼は、自身も法的整合性を重視する訓練を受けたと強調して、日本側に注文をつけた。「韓国には韓国の理屈と理論がある。互いに理解し合うことが重要で、韓国も法治国家だ」。・・・(音読:鈴木春花)
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明治政府の要職を歴任していた大隈重信は、北海道開拓使官有物払い下げ事件をめぐって、伊藤博文らと対立する。ついには「謀反人」として追放されてしまう。いわゆる「明治十四年の政変」が起こらなかったら、現在の早稲田大学の存在はなかった。大隈が翌年に開校したのが、前身の東京専門学校である。・・・(音読:塚本美也子)
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「まず驚き、次に腹が立ち、そして何ともいえぬ悲しい気持ちになった」。平成5年6月の朝日新聞「天声人語」が矛先を向けたのは、ケースワーカーの機関誌に掲載された、「福祉川柳」である。・・・(音読:峰田雅葉)
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近代医師制度の下で、日本の女医第1号となったのは荻野吟子である。明治18年に東京・本郷で開業している。医師をめざしたきっかけは、夫からうつされた性病だった。・・・(音読:佐藤友紀)
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いわゆる「ロス疑惑」の主人公、三浦和義氏は、妻一美さんの銃撃事件について、日本では無罪が確定している。ところが平成20年2月、米自治領サイパン島に滞在中、ロサンゼルス市警に逮捕された。容疑の一つは、日本の司法制度にはない共謀罪だった。・・・(音読:鈴木春花)
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アサガオの鉢植えが2つある。1つには絶え間なく光を当てる。もう1つには長い時間、箱で覆って闇を与える。箱を取り去った後に等しく光を当て続けると、つぼみをつけて花開くのは、闇を与えた方だという。・・・(音読:塚本美也子)
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アサガオの鉢植えが2つある。1つには絶え間なく光を当てる。もう1つには長い時間、箱で覆って闇を与える。箱を取り去った後に等しく光を当て続けると、つぼみをつけて花開くのは、闇を与えた方だという。・・・(音読:峰田雅葉)
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真情を吐露したということだろう。在日本大韓民国民団の呉公太(オ・ゴンテ)団長は12日、韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像について言い切った。「撤去すべきだというのが私たち在日同胞の共通した切実な思いだ」。訪韓して韓国政府にも撤去を働きかけるという。・・・(音読:塚本美也子)
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4年前に92歳で亡くなったヘレン・トーマスさんは、米ホワイトハウスを担当する名物女性記者だった。半世紀にわたって取材した大統領は、ケネディ氏からオバマ氏まで10人に及ぶ。・・・(音読:佐藤友紀)
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元内閣官房副長官の石原信雄氏は、「平成」の元号選定に立ち会っている。「『よくぞ、元号について結論を出しておいていただいた』と思いました」。雑誌「正論」昨年10月号のインタビュー記事で振り返っている。・・・(音読:鈴木春花)
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小池百合子東京都知事が座右の書に挙げる『失敗の本質』(中公文庫)は、大東亜戦争における日本軍の失敗を分析したものだ。インパールで日本軍と戦った英国軍司令官のこんな言葉が引用されている。・・・(音読:塚本美也子)
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最近、多くの企業が工場見学を積極的に受け入れている。たとえば老舗のハムの工場では、製造過程を解説するだけでなく、実際にスタッフが肉を加工する様子をガラス越しに見ることができる。会社は、商品の魅力、安全性を消費者に直接アピールする絶好の機会と捉えているようだ。・・・(音読:佐藤友紀)
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「あらゆる冒険は酒に始まる」。夏目漱石は、ビール一杯飲んだだけで、顔が真っ赤になるほど酒が弱かった。にもかかわらず、酒に関する名言をいくつも残している。小説の登場人物に語らせた、冒頭の一句もその一つである。・・・(音読:峰田雅葉)
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感情に火がつくと、人の行いは色よい果実をもたらさない。・・・(音読:鈴木春花)
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中国・戦国時代の法家思想の大成者、韓非子は国が滅ぶ兆候の一つに、こんな例を挙げる。「無礼な態度で隣の大国を侮り、貪欲のへそ曲がりで外交もまずいという場合」。国民感情が実定法に優越する「国民情緒法」が横行する韓国は、隣国日本は法治国家だということを忘れていたようである。・・・(音読:峰田雅葉)
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今年中に豊洲市場への移転が実現すれば、築地市場での最後のお祭り騒ぎとなる。昨日の初競りで、青森県大間産の212キロのクロマグロが、7420万円の最高値で競り落とされた。・・・(音読:佐藤友紀)
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