
産経抄
人の世には404種の病があるとされ、恋煩いを指して俗に「四百四病の外(ほか)」という。わが子に寄せる情愛もしかし、恋に劣らぬ煩いを強いて、親の胸を締め付ける甘美な病だろう。〈かくばかり偽り多き世の中に子の可愛さは真(まこと)なりけり〉の歌は落語のまくらとしてなじみ深い。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
通勤途上、国会そばの地下鉄永田町駅の出入り口辺りに、「アベ政治を許さない」と記されたビラが落ちていた。いまだにこんなものがと一瞬驚いたが、つい最近も耳にしていることに気が付いた。民進から除籍された長島昭久元防衛副大臣が記者会見で、そう叫ぶことを求められると同党の体質を明かしていた。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
高校在学中から米軍のクラブで歌っていたペギー葉山さんは、芸名からハーフによく間違えられた。父方の先祖は広島藩主の家老職を務め、母方の祖父は会津藩の白虎隊の生き残りという家柄である。・・・(音読:塚本美也子)
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飛行船の客室乗務員に扮(ふん)するのは、米国の人気俳優、ハリソン・フォードさんである。「オーバーブッキング(過剰予約)です」。ナチスの軍服姿の男に告げると、有無を言わせず外へたたき出した。・・・(音読:鈴木春花)
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世界のホームラン王、王貞治選手は、昭和55年11月に突然、現役引退を発表する。体力的には、まだ自信があった。問題は気力である。756号のホームラン記録を超えた達成感から、目標を失ってしまったという。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
日曜日の小紙1面に掲載された「めぐみへの手紙」は、写真の話から始まっていた。父親の横田滋さんが撮影した、中学校に入学したばかりのめぐみさんの写真である。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
この季節の空模様は移ろいやすい。「春に三日の晴れなし」という。花日和、花曇り、花冷え。桜にちなんだ天気の言葉が多い。列島の空を寒気と暖気が往来し、泣いた空が笑ってはまた崩れる。季節の事情が風趣に富む言葉を育てたのだろう。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
米国がとうとう、化学兵器使用が疑われるシリアのアサド政権の空軍基地を攻撃した。「アサドの行動を変えさせるための何年にもわたるこれまでの取り組みは、大きな失敗に終わった」。トランプ大統領の声明は、融和的だったオバマ前政権からの姿勢転換を、強く印象付けた。・・・(音読:峰田雅葉)
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平成6年6月、長野県松本市で起きた有毒ガス事件で8人の命が奪われたとき、どれほどの日本人が「サリン」の存在を知っていただろう。青酸カリの500倍の毒性を持ち、触れただけで死を招く。未知の猛毒に対して、警察の捜査は難航する。・・・(音読:佐藤友紀)
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産経抄
北朝鮮がまた、弾道ミサイルを発射した。本日、初めての首脳会談に臨むトランプ米大統領と中国の習近平国家主席への明らかな挑発である。・・・(音読:塚本美也子)
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産経抄
香川県小豆島で映画「二十四の瞳」の撮影中の出来事である。主演の高峰秀子さんは、木下恵介監督に呼び止められた。「人間はボクが保証します。彼は将来必ず立派な仕事をする人間だと、ボクは信じてるんです。付き合ってみてくれませんか?」。・・・(音読:峰田雅葉)
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1951年9月のサンフランシスコ講和会議で、ソ連のグロムイコ代表は日本の独立に数々の制約をつけようとしていた。これに対して完全独立を主張してくれたのが、独立まもないセイロン(現スリランカ)代表のジャヤワルデネ氏である。・・・(音読:塚本美也子)
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クッキーの中から「俳句」!?クッキーの中に入っている俳句で、恋占いができるんです。 日本最古の温泉、「道後温泉」がある愛媛県松山市。夏目漱石の小説『坊ちゃん』の舞台であり、多くの俳人を生んだことから『俳都』(はいと)と呼ばれています。道後にある古民家のカフェ『あるね』。ここで見つけたのが、このクッキーです。クッキーをかじると、中にはおみくじと、恋にまつわる俳句が入っています。 全部で60の俳句が入っています。あなたも恋の運だめし、してみませんか?(取材:矢田部ゆか)
Local Topics Japan記事はこちら: http://lt-j.com/movie_647.html

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歌謡曲には「ご当地ソング」と呼ばれるジャンルがある。「函館の女」「有楽町で逢いましょう」「大阪しぐれ」「長崎は今日も雨だった」…。地名が織り込まれた名曲を挙げていくときりがない。・・・(音読:鈴木春花)
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幕末の儒学者、安積艮斎(あさかごんさい)の国防論『洋外紀略』は、「徳川の平和」による安穏に慣れた民たちが、西洋列強という「素早くて荒い虎狼(ころう)の異民族」に対抗することの困難を憂えた上で、幕府にこう説いている。「沿海の要害の地にはりつき、砲台を並べ、のろし台を設け、士気を鼓舞し…」。・・・(音読:佐藤友紀)
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作家の吉川英治は、嫁入りを控えた娘に色紙を贈っている。父はしたためた。「珠(たま)になれとは いのらねど/あくたとなるな 町なかの…」。月並みな幸せが、実は得難い珠なのだ-と、諭しているようでもある。・・・(音読:鈴木春花)
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今月22日付の国際面で小さな記事が目に留まった。英国・北アイルランドの自治政府の前副首相、マーティン・マクギネス氏の訃報である。享年66、心臓を患っていたという。・・・(音読:塚本美也子)
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医師、看護師ら約70人は、12時間にわたって小さな体に向かい合っていた。ベトナム・ホーチミン市の病院で1988年10月に行われた、「ベトちゃんドクちゃん」の分離手術である。2人は腰から下を共有する結合双生児として生まれた。ベトナム戦争中に米軍がまいた枯れ葉剤の影響とみられる。・・・(音読:峰田雅葉)
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雪崩の本当の恐ろしさを知るのは、体験した人だけである。日本の雪崩研究のパイオニアだった故高橋喜平さんも、岩手県の雪山で巻き込まれた。・・・(音読:佐藤友紀)
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小学3年の女の子マキシは、まだおむつのとれない弟と、大学生のお兄ちゃんの3人きょうだいである。ある日、パパとママに家を空ける用事ができて、マキシと弟は、1人暮らしをしているお兄ちゃんのアパートで過ごすことになった。・・・(音読:鈴木春花)
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元横綱武蔵丸の大関時代のエピソードである。本場所中に40度以上の熱が出た。幕内土俵入りを終えて支度部屋に帰ったところで力尽きる。なんとか体を温めようと風呂につかってから、土俵に上がった。・・・(音読:峰田雅葉)
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花は根に鳥は故巣(ふるす)に〉という。花は咲いた木の根元に散り、その肥やしとなる。空を行き交う鳥もやがては巣に戻る。あらゆる物事は、その元となるところへ帰っていくものだ-と。いにしえの言葉に、ある母親の悲哀に満ちた面差しが重なる。・・・(音読:塚本美也子)
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朝日新聞はよほど「関与」という言葉がお好きらしい。24日付朝刊では、学校法人「森友学園」の土地問題をめぐり、1面トップ記事で「昭恵夫人付職員が関与」との大見出しが躍っていた。安倍晋三首相夫人が土地問題に関係を持ち、事にあずかっていたのだとの印象が刷り込まれる。・・・(音読:塚本美也子)
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元検事総長の伊藤栄樹さんの回想録に「立派な被疑者」として登場するのが、経団連会長を務めた土光敏夫さんである。土光さんは、石川島重工業の社長の時、造船疑獄に連座して逮捕された。・・・(音読:峰田雅葉)
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「黒糖パン、桜エビのかきあげ、みそ汁、牛乳」「コッペパン、肉じゃが、みたらしだんご、牛乳」「みそラーメン、やきいも、みかんゼリー、牛乳」…。管理栄養士の幕内秀夫さんは、全国の学校給食から集めたひどい献立を『変な給食』(ブックマン社)という本にまとめている。・・・(音読:佐藤友紀)
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昭和32(1957)年10月のカナダ・カップ(現ワールド杯)は、日本で開催される初めてのゴルフの国際大会だった。会場となったのが、霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)である。・・・(音読:塚本美也子)
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米カリフォルニア大のエイムズ教授は、野菜に自然由来の発がん性物質が多く含まれている事実を示した。その教授が、サラダをもりもり食べている。制がん性のある物質や他の栄養素もあり、食べないわけにはいかない。・・・(音読:鈴木春花)
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昨年のリオデジャネイロ五輪、柔道男子100キロ超級の会場で激しいブーイングが起きた。イスラエルの選手に一本負けしたエジプトのエルシェハビ選手が、試合後の握手を拒否した場面である。・・・(音読:峰田雅葉)
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いまは亡き立川談志さんが地方で務めた高座で、事は起きた。「やってられるか」。名人芸に満座がどかんと沸く中、談志さんが仏頂面で座布団から立った。最前の客が1人舟をこいでいる。客はつまみ出された。・・・(音読:鈴木春花)
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その女性は、長年閉じ込められていた静かで孤独な場所を、天国でも地獄でもなく、天国に入る前に浄化の苦しみを受ける煉獄(れんごく)と呼んだ。生後すぐに脳に酸素が届かない状態となり、脳に重度の障害を負って、体を動かすことも口をきくこともできなくなった溝呂木(みぞろぎ)梨穂さん(24)である。・・・(音読:峰田雅葉)
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中国で「お茶を飲まされる」とは、警察で取り調べを受けることを意味する。『マンガで読む 嘘つき中国共産党』(新潮社)で知った。筆者の「辣椒(ラージャオ)」さんは、インターネット上で中国の政治を風刺する漫画を発表していた。もちろん、何度もお茶を飲まされた。・・・(音読:塚本美也子)
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放送作家の三村修治は、医師から余命6カ月を告げられる。長年バラエティー番組を担当してきた三村は、残された半年で妻を心から楽しませる企画作りに取りかかった。・・・(音読:佐藤友紀)
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1970(昭和45)年の大阪万博は、見合い話から始まった。旧通産省に入省して3年目の堺屋太一さんに、上司から持ち込まれたものだ。堺屋さんは断るのだが、この時の上司の言葉が耳に残った。「若い頃は一つのことにかけてみるのも悪くない。たとえば万博とか」。・・・(音読:峰田雅葉)
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大名行列のシーンは時代劇に欠かせない。加賀百万石の前田家では、行列の人数が4千人にも及んだ。とにかく荷物が多かった。武器から飲み水やしょうゆの入った樽(たる)まで運び、医者や料理人、大工も連れていた(『参勤交代道中記』忠田敏男著)。・・・(音読:鈴木春花)
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「鹿児島へ演奏旅行に行くよ」。ジャズピアニストの山下洋輔さんが母親に告げると、思いがけない言葉が返ってきた。「おじいさんの建てた刑務所を見てきなさい」。昭和61年のことだ。・・・(音読:塚本美也子)
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その昔、旅先の宿で隣室から朗々と謡曲が流れてきた。なかなかうまい。「止めてみせようか」と謡(うた)い始めたのは、時の観世大夫である。隣は水を打ったようにしんとなった。自分より秀でた腕前に驚いたらしい。・・・(音読:佐藤友紀)
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「学校も先生も大きらい。いままでなんかいも死のうとおもった」。9日付の小紙朝刊に、東電福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難し、いじめを受けた中学1年の男子生徒の手記全文が載っていた。住み慣れた自宅を離れ、新たな居場所を求めた先で黴菌(ばいきん)扱いされた生徒の心境を思うと、胸がつぶれる。・・・(音読:塚本美也子)
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フランス革命で、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットは断頭台の露と消えた。二人の子で当時8歳の王子ルイ・シャルルも、2年後に刑務所内で病死したとされる。もっとも、実は生き延びた、との説が当初からあった。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
科学者の代表機関である日本学術会議では、能天気な議論が続いていると、2日前のコラムで書いた。昨日の各紙を見ると、新しい声明案がまとまったようだ。「軍事研究を行わない」。なんと昭和25年に発表した声明を、「継承」するというから驚きである。・・・(音読:鈴木春花)
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北朝鮮がまた、弾道ミサイルを日本海に撃ち込んだ。いくら厳重な抗議を行っても、北朝鮮はミサイル開発のペースを落とすことはない。最悪の事態、すなわちミサイル攻撃に備えて腹をくくる時が来ている。・・・(音読:佐藤友紀)
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北朝鮮がまた、弾道ミサイルを日本海に撃ち込んだ。いくら厳重な抗議を行っても、北朝鮮はミサイル開発のペースを落とすことはない。最悪の事態、すなわちミサイル攻撃に備えて腹をくくる時が来ている。・・・(音読:塚本美也子)
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かつて小紙が開催していたセミナーの講師として、アートディレクターの長友啓典(けいすけ)さんを招いたことがある。テーマは、「お酒の呑み方、付き合い方」だった。・・・(音読:峰田雅葉)
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都合の悪いものを隠すのに、土は都合がいい。とある県の、とある島に産業廃棄物の処分場計画が持ち上がった。反発する島民に、県庁職員いわく「木くずなどをエサにしたミミズの養殖です」。業者の言い分を真に受け、事業許可を与えている。・・・(音読:鈴木春花)
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昨年10月1日現在の日教組の組織率は23・6%で、過去最低となった。40年連続の低下で退潮著しいが、影響力を甘く見てはいけない。学校の職員室という閉鎖空間では、往々にして声の大きい少数派が主導権を握る。多数派は、唯々諾々と少数派に従うか、その言動を黙認することになる。・・・(音読:峰田雅葉)
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産経抄
「万葉集」は、国内統一をほぼ成し遂げた第21代の雄略(ゆうりゃく)天皇の「求婚の歌」で始まる。それに続いて登場するのが第34代の舒明(じょめい)天皇の歌である。「大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ…」。香具山に登り、大和の国を見下ろして詠んだとされる。「国見の歌」として知られてきた。・・・(音読:佐藤友紀)

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大きくなった息子の洋服のお古を、甥(おい)に送ってやろうと思った。個人が小さな荷物を送る方法は、国鉄小荷物か郵便小包しかなかった。どちらも窓口の応対はつっけんどんで、日数もかかる。大和運輸(現ヤマト運輸)の社長だった小倉昌男さんの実体験である。・・・(音読:塚本美也子)
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仲良しの映画監督と作家が、東京・新宿の酒場で飲んでいた。「おい、あれ井伏さんじゃないか」。片隅にいる和服姿の老人は、2人の敬愛する作家に似ている。・・・(音読:峰田雅葉)
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天皇、皇后両陛下は、さまざまな事情で海外に出てその地に留(とど)まった日本人と家族に、長年心を寄せられてきた。昨年1月にフィリピンを公式訪問した際も、陛下の強い希望で、日系人と懇談されている。両陛下にとって初めてとなる今回のベトナム訪問では、「残留元日本兵」の家族と面会される。・・・(音読:鈴木春花)
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東京マラソンの初開催を2年後に控えた2005年11月、当時の東京都知事、石原慎太郎氏は、ニューヨークシティー・マラソンを視察していた。・・・(音読:塚本美也子)
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ミヒャエル・エンデの小説『モモ』に、時間を貯蓄する「時間銀行」が出てくる。「もしも20年前に1日わずか1時間の倹約を始めていたならば…」。顧客の理髪師を相手に、行員は仕事の時短を勧めてうるさい。・・・(音読:佐藤友紀)