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2018.7.19

【産経抄】7月19日(音読:塚本美也子)

「選挙介入したのはロシアではない理由が見当たらないと言おうとして、言い間違えた」。トランプ米大統領は17日、ホワイトハウスで苦しい釈明を迫られていた。・・・(音読:塚本美也子

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2018.7.18

【産経抄】7月18日(音読:峰田雅葉)

北海道七飯町(ななえちょう)の公園に展示されている彫刻「もどり雲」は、流政之(ながれ・まさゆき)さんが、戦没者への慰霊の思いを込めて制作したものだ。平成18年の除幕式には、裏千家前家元の千玄室さんも出席して茶会を開いた。2人は海軍航空隊の同期である。流さんは零戦に、千さんは偵察機に搭乗し、共に特別攻撃隊要員だった。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.7.17

【産経抄】7月17日(音読:鈴木春花)

物理学者の寺田寅彦に『海水浴』と題した随筆がある。明治14年の夏、父親に連れられて愛知県の海辺の町大野で過ごす場面で始まる。数え年4歳の寅彦は体が弱く、医師の勧めによるものだ。・・・(音読:鈴木春花

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2018.7.16

【産経抄】7月16日(音読:塚本美也子)

兵庫県西宮市にある中高一貫の名門校、甲陽学院で、村上千秋先生は長く国語を担当していた。ある講習で、生徒にこんな話をしたそうだ。受験の季節になると、あいさつにやって来る受験生の両親についてである。・・・(音読:塚本美也子

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2018.7.15

【産経抄】7月15日(音読:加藤亜衣子)

語感は耳に優しくても、使う機会がないに越したことはない。そんな言葉は多い。「水見舞(みずみまい)」はその一つである。洪水や浸水など水害に遭った地域を気遣い、見舞うことをいう。歳時記には夏の季語として載っている。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.7.14

【産経抄】7月14日(音読:峰田雅葉)

「細川護煕政権が発足して首相官邸が自分のものになった気がしたよ」。一昨年4月に亡くなった連合の初代会長、山岸章さんはかつて小紙インタビューで、自らが生みの親の一人である細川政権についてこう回想している。ただし、高揚感はわずか1カ月後には失望に変わった。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.7.13

【産経抄】7月13日(音読:塚本美也子)

東京・銀座のギャラリーで今年の初め、「グリーンランド」と題した展覧会が開かれた。水を使って人工的に発生させた白い霧が、展示空間をふんわり包み込み、氷河の滝を表現していた。「霧の彫刻」の第一人者である中谷芙二子(なかや・ふじこ)さん(85)の作品である。・・・(音読:塚本美也子

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2018.7.12

【産経抄】7月12日(音読:加藤亜衣子)

〈蓄尿瓶 洗う心は ナイチンゲール〉。現役看護師の川柳を集めた『ナース川柳看護婦七転八倒』(幻冬舎文庫)で見つけた。蓄尿瓶を洗っていると、尿が顔や手に飛び散ることがある。「これも患者さんのため」。惨めな気持ちをナイチンゲール精神で吹き飛ばす、というのだ。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.7.11

【産経抄】7月11日(音読:峰田雅葉)

「家も財産もすべて流された。両親も妻子も失った。嘆き悲しむ者は数を知らず」。現在の群馬県太田市にある青蓮寺(しょうれんじ)の住職が記した『寛保洪水記録』の一節である。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.7.10

【産経抄】7月10日(音読:鈴木春花)

TBSドラマ「人間の条件」の主役に抜擢(ばってき)されたのは、俳優座養成所の3年生のときだった。たまたま訪れた監督の目に留まった。25歳の新人は、初仕事にもかかわらず監督の演出に注文を出す。スタッフや共演者は目をむいた。・・・(音読:鈴木春花

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2018.7.8

【産経抄】7月8日(音読:塚本美也子)

古来、七夕と雨は浅からぬ縁で結ばれていた。牽牛(けんぎゅう)と織り姫を詠んだ中国の古詩に「泣涕零如雨(きゅうていおちてあめのごとし)」の一節がある。一途に相手を思う織り姫が雨のような涙を流している、と。牽牛も女心を察してか、七夕前日は逢瀬(おうせ)に使う牛車を丹念に洗ったという。・・・(音読:塚本美也子

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2018.7.7

【産経抄】7月7日(音読:加藤亜衣子)

その朝、早起きして初めての海外出張のため成田空港へと向かい、当時所属していた社会部に「今から出発します」と電話をかけたところ、受話器から怒鳴り声が響いた。「地下鉄で人がばたばた倒れているんだよ。何やっているんだ」。平成7年3月20日の地下鉄サリン事件である。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.7.6

【産経抄】7月6日(音読:塚本美也子)

万葉の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)に「子等を思ふ歌」という長歌がある。「瓜食(うりは)めば子ども思ほゆ栗(くり)食めばまして偲(しぬ)はゆ」。瓜も栗も子供の好物なのだろう。旅先で口にすると、子供の顔を思い出すというのだ。・・・(音読:塚本美也子

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2018.7.5

【産経抄】7月5日(音読:鈴木春花)

フランス南西部の小さな村で、世紀の発見がなされたのは、1940年9月である。村の少年が愛犬と散歩していると、犬が倒木の下の穴に落ちてしまった。引っ張り上げようとして、穴の先に洞窟が広がっているのに気づく。・・・(音読:鈴木春花

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2018.7.4

【産経抄】7月4日(音読:峰田雅葉)

サッカーワールドカップ(W杯)の現在の優勝トロフィーは、3代目である。初代は、ギリシャ神話の勝利の女神、背中に大きな翼をもつニケ(Nike)が、杯を支えるデザインだった。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.7.3

【産経抄】7月3日(音読:加藤亜衣子)

実に八十数年ぶりのご対面として話題になった。平成10年に放映されたNHKの大河ドラマ「徳川慶喜」の撮影現場での出来事である。慶喜の孫に当たる高松宮妃喜久子さまが、慶喜役の本木雅弘さんを激励に訪れたのだ。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.7.2

【産経抄】7月2日(音読:塚本美也子)

主人公の新聞記者は、過激派のミサイル爆破事件を追ううちに、高校の天文部ロケット班の仲間たちと再会する。旧宇宙開発事業団の研究者、材料工学の技術者、やり手の商社マン、そしてミリオンセラーを連発するロックシンガー。・・・(音読:塚本美也子

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2018.7.1

【産経抄】7月1日(音読:鈴木春花)

病に伏しがちだった晩期の夏目漱石は、乾湿どちらかといえば湿り気の多い文を書いた。世が選挙や不景気に多端の頃、新聞の随筆『硝子(がらす)戸の中(うち)』(大正4年)でこぼしている。〈閑散な文字を列(なら)べて紙面をうずめて見せる〉のが恥ずかしい、と。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.30

【産経抄】6月30日(音読:峰田雅葉)

28日のサッカーワールドカップ(W杯)の対ポーランド戦で、日本代表チームは負けているにもかかわらず、得点を狙うことなく時間稼ぎをした。結果的に決勝トーナメント進出を果たしたが、この戦術に国内外から賛否両論、さまざまな意見や論評が出ている。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.29

【産経抄】6月29日(音読:塚本美也子)

平成9年に『チャートでみる日本の流行年史』という本が出ている。たとえば、「ベストセラーの50年史」の見出しのついたページを開いてみよう。『日米会話手帳』が、日本人の英語好きの道筋をつけた。やがてハウツー本の典型として、『冠婚葬祭入門』が登場する。しめくくりは、読者の心のすきまを埋める「生き方本」の大ヒットである。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.28

【産経抄】6月28日(音読:鈴木春花)

竜宮城はどこにあるのか。室町時代に成立した御伽草子(おとぎぞうし)「浦島太郎」によれば、現在の京都府の一部である丹後国(たんごのくに)の沖合だった。助けた亀の化身である美しい女房に導かれ、「十日余りの船路」の果てにたどり着く。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.27

【産経抄】6月27日(音読:峰田雅葉)

「アメリカの魂」とたたえられるオートバイは1903年、中西部ウィスコンシン州の粗末な小屋で誕生した。マシンの名前は、開発者のウィリアム・ハーレーとダビッドソン兄弟に由来する。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.26

【産経抄】6月26日(音読:加藤亜衣子)

トルコ共和国の「建国の父」とたたえられる初代大統領、ケマル・アタチュルクは、57歳で亡くなっている。激務と酒の飲み過ぎが寿命を縮めた。とりわけブドウが原料の蒸留酒「ラク」を好んだ。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.6.25

【産経抄】6月25日(音読:塚本美也子)

その島の存在が日本人に知られるようになったのは、江戸時代の初め頃である。紀州から江戸に向かう途中に遭難、漂着したミカン船が発見した。生還者の報告を受けて、幕府は早速、探検船を送り出す。島に上陸した一行は、測量を行い地図を作製した。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.24

【産経抄】6月24日(音読:峰田雅葉)

米サンフランシスコで生まれたその女の子は、名を「ハナビコ」という。誕生日は1971年7月4日。独立記念日の夜空に映えた花火が由来である。生後まもなく栄養失調でやせ細り、母親と引き離されて育った。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.23

【産経抄】6月23日(音読:塚本美也子)

言い得て妙だと、はたと膝を打った。雑誌『新潮45』7月号の特集タイトル「こんな野党は邪魔なだけ」のことである。審議拒否を繰り返し、テレビ向けのパフォーマンスに明け暮れる野党は今、存在意義そのものを疑問視され始めたのではないか。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.22

【産経抄】6月22日(音読:鈴木春花)

芥川賞作家の絲山(いとやま)秋子さんは、2007年の夏、西アフリカのセネガルに2カ月間滞在している。子供の頃から大ファンだった打楽器奏者ドゥドゥ・ンジャエ・ローズの故郷が見たい。それが旅の目的だった。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.21

【産経抄】6月21日(音読:加藤亜衣子)

米国が、国連人権理事会からの離脱を表明した。「イスラエルへの慢性的な偏見」が理由である。トランプ政権の親イスラエル政策の是非はともかく、ヘイリー米国連大使のこの発言には、一面の真理がある。「人権理は人権ではなく、政治的偏向に基づき行動している」。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.6.20

【産経抄】6月20日(音読:峰田雅葉)

かつて日本の民家を取り囲んでいたのは、主に板塀や生け垣だった。ブロック塀が普及するのは戦後になってからだ。それをもう一度、生け垣に切り替える。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.19

【産経抄】6月19日(音読:鈴木春花)

ナマズが地下で暴れると地震が起こる。江戸時代に広まった俗信は日本独特のものだ。地震考古学が専門の寒川旭(さむがわ・あきら)さんによれば、生みの親は豊臣秀吉である。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.18

【産経抄】6月18日(音読:塚本美也子)

小判の包みを何食わぬ顔で袖の下に入れる。不敵な笑みを浮かべて悪徳商人に声をかける。「越後屋、おぬしもワルよのう」。代官といえば、時代劇のおなじみのシーンを思い浮かべてしまう。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.17

【産経抄】6月17日(音読:加藤亜衣子)

指揮者の佐渡裕さんが世に出る契機となったのは、音の間違い探しだった。平成元年のことである。国際コンクールでの出題に「譜面と演奏の違いを見抜け」とあった。課題曲のタクトを振るうち残り2小節で何かが引っかかったという。「その瞬間は、えっ? と思っただけ」。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.6.16

【産経抄】6月16日(音読:塚本美也子)

十数年前とは、様相ががらっと変わった。米朝首脳会談を受け、15日に開かれた自民党外交関係合同部会の光景のことである。こんな意見が飛び交っていた。「拉致問題の解決なしで、北朝鮮に資金を拠出するのは国民の理解は得られない」「やってはいけないことは、日朝交渉に前のめりになることだ」。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.15

【産経抄】6月15日(音読:峰田雅葉)

かつて医師に往診を頼むことを「医者を揚げる」と言ったそうだ。「芸者を揚げる」くらいの散財だというのだ。体の不調に気づいても我慢して、手遅れになってから、家族が死亡診断書を書いてもらうために医師を呼ぶ。日本国民の約3分の1が、無保険者だった時代の話である。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.14

【産経抄】6月14日(音読:鈴木春花)

長編ノンフィクション『いつかの夏』(KADOKAWA)は、読むのがつらい。平成19年に名古屋市で会社員の磯谷(いそがい)利恵さん=当時(31)=が、3人の男に拉致、殺害された事件を題材としている。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.13

【産経抄】6月13日(音読:塚本美也子)

東欧ルーマニアを24年間支配した独裁者の最期の姿はあわれなものだった。泣きわめく夫人とともに後ろ手に縛られたまま、一斉射撃の銃弾に倒れた。1989年12月、チャウシェスク元大統領夫妻処刑のニュースが世界を駆け巡った。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.12

【産経抄】6月12日(音読:加藤亜衣子)

今年3月から日本で公開されている米映画「15時17分、パリ行き」は、異色の作品といえる。2015年8月にアムステルダム発パリ行きの特急列車内で起きた、テロ事件を題材にしている。イスラム過激派の男が突然、乗客に向かって発砲を始めた。乗務員が一目散に逃げ出すなか、テロリストを取り押さえたのは、3人の幼なじみの米国人旅行者だった。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.6.10

【産経抄】6月10日(音読:峰田雅葉)

どんな経験にも必ず「初めて」がある。サッカー日本代表にとっては、1998年のワールドカップ(W杯)フランス大会がそうだった。当時の日本代表監督、岡田武史さん(61)は自身の采配を評して「愚者のリーダーシップ」と振り返っている。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.9

【産経抄】6月9日(音読:塚本美也子)

「米朝首脳会談で日本人拉致問題を必ず提起する」。7日の日米共同記者会見でトランプ米大統領が改めて約束すると、安倍晋三首相もこう踏み込んだ。「最終的には私と金正恩朝鮮労働党委員長で協議し、解決しなければならない」。拉致問題は今、これまでにない重大局面にある。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.8

【産経抄】6月8日(音読:鈴木春花)

「くちげんかは おとうさんが つよくて ぼうりょくげんかは おかあさんが かちます」。神戸市の小学校で長く教師を務めた鹿島和夫さんは、新1年生が入学するたびにノートを渡した。毎日、詩を書いてもらうためである。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.7

【産経抄】6月7日(音読:加藤亜衣子)

遺影を持って傍聴席に座りたい。妻を殺した男の公判を前に、岡村勲弁護士は裁判所に願い出た。今から20年前である。岡村さんは経営破綻した山一証券の代理人、男は株で損をしたという顧客だった。恨みを買い、いわば身代わりで妻は刺された。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.6.6

【産経抄】6月6日(音読:峰田雅葉)

作家の故遠藤周作さんは、頭髪が薄くなったことに気がついて以来、できるかぎりの手を尽くしてきた。養毛剤をあれこれ試し、理髪店では卵の黄身で頭を洗ってもらった。カツラを使ってもみた。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.5

【産経抄】6月5日(音読:塚本美也子)

かつてリビアの最高指導者だったカダフィ大佐は、テント暮らしを好んだ。2009年に初めて国連総会に乗り込んだ際も、テントを張って野営しようとした。ニューヨークの住民が猛反発して大騒動に発展する。・・・(音読:塚本美也子

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2018.6.4

【産経抄】6月4日(音読:鈴木春花)

「山下財宝」をめぐる騒動は、いつまで続くのだろう。第二次世界大戦中に旧日本軍が戦線で奪取し、フィリピンに隠したとされる、膨大な金や通貨などを指す。名前はフィリピン戦線最後の司令官だった山下奉文(ともゆき)大将に由来する。「マレーの虎」と呼ばれた名将にとって、迷惑な話である。・・・(音読:鈴木春花

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2018.6.3

【産経抄】6月3日(音読:加藤亜衣子)

歌人の小池光さんに風変わりな一首がある。〈信長が斃(たほ)れし齢(とし)にわれなりて住宅ローン残千八百万〉(歌集『静物』所収)。天下統一の夢に破れて果てた人、夢のマイホームを手に入れながら月々の返済にあえぐ人、その対照に微苦笑を誘われる。・・・(音読:加藤亜衣子

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2018.6.2

【産経抄】6月2日(音読:峰田雅葉)

「こんなにやつきになつて罵詈(ばり)雑言を浴びせかけなくてもよささうなもの」。劇作家で評論家の福田恆存さんは昭和30年に発表した論文『輿論(よろん)を強ひる新聞』で、当時の新聞による吉田茂首相糾弾をいぶかっている。「どの新聞もどの新聞も、まるで相談したやうに反吉田になつてゐる」。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.6.1

【産経抄】6月1日(音読:塚本美也子)

ベートーベンの「交響曲第9番」が、ウィーンで初演されたのは、1824年の5月だった。すでにほとんど耳が聞こえなかったベートーベンは、聴衆の拍手に気づかず、作品の出来栄えを確認することもかなわなかった。・・・(音読:塚本美也子

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2018.5.31

【産経抄】5月31日(音読:鈴木春花)

内閣府が今年1月に公表した世論調査の結果にはショックを受けた。運転免許証を保有する70歳以上の高齢者が、家族や医師から運転をやめるように勧められたらどうするか。免許証を返納しようと考える人は、26・3%にすぎなかった。・・・(音読:鈴木春花

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2018.5.30

【産経抄】5月30日(音読:峰田雅葉)

昨日訃報が届いた作家の津本陽さんには、13年間のサラリーマン経験がある。戦後まもなくの食料増産が急務の時代とあって、勤めていた肥料メーカーの業績はよかった。給料日本一とも報じられた。・・・(音読:峰田雅葉

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2018.5.29

【産経抄】5月29日(音読:塚本美也子)

昨年2月に夫の三浦朱門さん(91)を見送って、約4カ月後の話である。書類戸棚を整理していると、中から一万円札が12枚も見つかった。・・・(音読:塚本美也子

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