産経抄

2014.4.16

【産経抄】4月16日(音読:岡本由季)

衣食足りて礼節を知る、という。中国古代の書『管子』にある言葉で「礼節」を「栄辱」という場合もある。生活に困らなくなって人は初めて礼儀や道理をわきまえる、といった意味だ。日本では戦後の経済復興のさい、戒めとしてよく使われた。・・・(音読:岡本由季

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2014.4.15

【産経抄】4月15日(音読:塚本美也子)

芥川賞・直木賞の創設者としても知られる作家の菊池寛は、一高卒業間際に友人の窃盗の罪をかぶって退学している。ところが、別の友人の父親が学資を出してくれることになって、京都大学への入学を果たす。・・・(音読:塚本美也子

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2014.4.13

【産経抄】4月13日(音読:峰田雅葉)

一昨年秋にリニューアルされた東京駅は今、観光客でにぎわっている。しかしその南口ホールの壁にある「原首相遭難現場」というプレートに気付く人は少ない。大正10年11月4日、平民宰相などといわれた原敬が10代の男に刺殺された場所である。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.4.12

【産経抄】4月12日(音読:岡本由季)

ブランド物や高級腕時計にとんと縁がない抄子にとって、駆け込み買いは別世界の話だった。日本の財政が、のっぴきならない窮状にあるのもよくわかっているつもりである。それでも行きつけの定食屋のランチが、690円から710円になったのは、十円玉2個の違いとはいえ、痛い。・・・(音読:岡本由季

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2014.4.11

【産経抄】4月11日(音読:峰田雅葉)

平成13年のNHK大河ドラマ『北条時宗』は、小欄にかっこうのネタを提供してくれた。なにしろ蒙古襲来を前にして、鎌倉幕府執権の時宗が、「この首をフビライに差し上げてもよい。それで日本が救われるのなら」などと、泣き言を吐くのだから。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.4.10

【産経抄】4月10日(音読:根岸麻衣子)

評論家の佐高信さんのところに届いた知人の結婚式の招待状には、名前の「信」が「真」と間違って記されていた。佐高さんはそれを踏まえて、披露宴でこんなスピーチをしたそうだ。「結婚生活は、真実より信じることの方が大切です」。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.4.9

【産経抄】4月9日(音読:塚本美也子)

中国の戦国時代、秦が急速に力をつけ他の6国を圧迫し始めた。6国側は土地を割き、秦に従い自国の安全をはかろうとした。そのとき雄弁家として知られた蘇秦は「強い秦の家来になるより各国が団結して対抗すれば、独立を保てる」と説いて回った。・・・(音読:塚本美也子

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2014.4.8

【産経抄】4月8日(音読:岡本由季)

英国の探検家、キャプテン・クックは、1770年に現在のシドニーに上陸する。オーストラリア大陸が、世界史に登場した瞬間だった。・・・(音読:岡本由季

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2014.4.7

【産経抄】4月6日(音読:塚本美也子)

桜並木、本邦初、しかも皇居と三拍子そろえば、物見高さを唯一の取りえとしている抄子としては、出かけざるを得ない。天皇陛下の傘寿を記念して8日まで一般公開中の乾(いぬい)通りを歩こうと、おっとり刀でかけつけたのだが…。・・・(音読:塚本美也子

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2014.4.7

【産経抄】4月5日(音読:岡本由季)

何年か前、ソウルの中心街を歩いていると、けたたましくサイレンが鳴った。拡声器を持った男性がなにやら叫び、車がストップする。北朝鮮の突然の攻撃に備え定期的に行われる防空訓練だ。事前に聞いてはいたが、その緊迫感にゾッとした。・・・(音読:岡本由季

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2014.4.7

【産経抄】4月4日(音読:塚本美也子)

ダイナマイトを発明したアルフレド・ノーベルの兄が亡くなったとき、フランスの新聞は、大誤報をしでかした。ノーベル本人と勘違いして死亡記事を掲載したのだ。記事の見出しは、「死の商人死す」だった。・・・(音読:塚本美也子

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2014.4.7

【産経抄】4月3日(音読:峰田雅葉)

今月1日に初演から100周年を迎えた宝塚歌劇は、今や世界に誇る日本の独自文化のひとつである。大ファンとして知られる作家の田辺聖子さんは、宝塚の魅力をこう表現していた。「それは一期一会(いちごいちえ)の夢。手に掬(すく)えば消えてしまう、豪奢(ごうしゃ)な星屑(ほしくず)のきらめき」(『夢の菓子をたべて』)。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.4.7

【産経抄】4月2日(音読:根岸麻衣子)

幕末から明治の国際化に貢献した中浜万次郎は少年時代に漂流し、米国の捕鯨船によって無人島から助けだされる。そこで命がけでマッコウクジラと戦う船員たちの姿を目の当たりにする。19世紀の半ば、米国で捕鯨が最も盛んな時代だった。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.4.7

【産経抄】4月1日(音読:塚本美也子)

文芸評論家の故谷沢(たにざわ)永一さんは、「日本語のシャレの精髄を集めたような言葉」として、「沖を越える」を挙げていた。シャレは、「辺(へた)」と「下手」をかけるところから始まる。・・・(音読:塚本美也子

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2014.4.7

【産経抄】4月7日(音読:根岸麻衣子)

高村薫さんのデビュー作『黄金を抱いて翔べ』(新潮文庫)のなかで、主人公が仲間のために、箱寿司(ずし)と牛乳を買って帰る場面がある。同じく直木賞作家の三浦しをんさんは、高村さんのファンサイトを見て「ぶったまげた」そうだ。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.31

【産経抄】3月31日(音読:根岸麻衣子)

昨年、生誕150年を迎えた徳富蘇峰が、国際政治における宣伝の重要性に気づいたのは、第一次大戦前夜のころだった。当時ドイツから自国の優秀さを強調する、英文のパンフレットがやたらと送られてきていた。バカバカしいと思いながら読んでいるうちに、だんだんその気になっていったそうだ。さらに、宣伝が得意なのは、中国だとも指摘している(『稀代のジャーナリスト 徳富蘇峰』藤原書店)。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.30

【産経抄】3月30日(音読:峰田雅葉)

日露戦争末期の1905年3月、ロシアのバルチック艦隊はアフリカのマダガスカルで錨(いかり)を揚げた。インド洋をまっすぐ東に横切り日本海を目指す。大陸沿いに進む通常のインド洋の航路よりはるか南、島影も船影もほとんどない大海原の旅だった。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.29

【産経抄】3月29日(音読:根岸麻衣子)

千鳥ケ淵の桜もそろそろ見ごろというころに酉の市とは、季節外れもいいところだが、花見の座興にはもってこいである。化粧品販売会社の会長からもらった8億円の使い道を聞かれたみんなの党の渡辺喜美代表、「かなり大きい熊手を買った」と答えたそうな。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.28

【産経抄】3月28日(音読:塚本美也子)

静岡県の旧清水市で、みそ製造会社の専務一家4人が殺害されたのは昭和41年だった。同じ年、米ニュージャージー州の酒場で、3人が射殺される事件が起こる。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.27

【産経抄】3月27日(音読:宮本ゆみ子)

陸上競技ではまったく無名の大学で、箱根駅伝出場をめざす若者たちを描いた映画「風が強く吹いている」に、こんな場面がある。一から選手を集め始めた主人公は、アフリカからの留学生に目をつけた。すると留学生は、憤懣(ふんまん)やる方ない様子で抗議する。「黒人がみんな足が速いと、決めつけないでください」。・・・(音読:宮本ゆみ子

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2014.3.26

【産経抄】3月26日(音読:根岸麻衣子)

歴史学者の故赤松俊秀氏は親鸞や平家物語などの研究でも知られたが、派手な歴史論争とは無縁だった。代わりに力を入れたのが古文書の解読や整理である。京都大で教鞭(きょうべん)をとる前、京都府職員として社寺が保存する文化財を徹底して調べたという。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.25

【産経抄】3月25日(音読:峰田雅葉)

日本で初めて国勢調査が行われたのは、大正9(1920)年のことだ。政府としては、調査の趣旨や実施方法をまず国民に周知させる必要があった。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.24

【産経抄】3月24日(音読:塚本美也子)

昭和40年代、東京や大阪などの大都会は、自動車の排ガスや工場の排煙を原因とするスモッグに悩まされていた。そんななか、東京タワーの土産物店などで売り出されたのが、「空気の缶詰」だった。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.23

【産経抄】3月23日(音読:根岸麻衣子)

オランダのハーグは1899年と1907年、2回の国際平和会議が開かれた都市として知られる。甚大化する戦争被害を最小限に抑えるため、多くの条約が結ばれたのだ。だが日本と韓国にとっては、別の意味で因縁深い会議となった。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.22

【産経抄】3月22日(音読:峰田雅葉)

とんとん拍子というよりは、拍子抜けだった。来年度予算は、3連休前(抄子はいつも通りだが)の20日成立した。戦後3番目のスピード成立なんだそうだが、さもありなん。論戦にまったく歯ごたえがなかった。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.21

【産経抄】3月21日(音読:塚本美也子)

真っ黒に塗りつぶされた怪獣が、建物に向かって火を噴き、人々が逃げまどっている。ユーゴスラビア(現セルビア)・コソボ自治州での紛争が激化していた1999年4月、隣国のアルバニアには、大量の避難民が流れ込んでいた。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.19

【産経抄】3月19日(音読:宮本ゆみ子)

ソ連時代のロシアや東欧を揶揄(やゆ)する西欧のジョークの定番は「行列」だった。例えば、モスクワにマクドナルド店ができるというウワサが流れたとき、建設予定地は長い間秘密にされた。明らかになると、その日から行列ができてしまうからだ。・・・(音読:宮本ゆみ子

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2014.3.18

【産経抄】3月18日(音読:峰田雅葉)

8年前、79歳で亡くなった詩人の茨木のり子さんに、祖母を題材にした「答」という作品がある。「ばばさま/ばばさま/今までで/ばばさまが一番幸せだったのは/いつだった?」。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.17

【産経抄】3月17日(音読:宮本ゆみ子)

「最上川逆白波(さかしらなみ)のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも」。斎藤茂吉が終戦後まもなく、故郷の山形に疎開したときに作った。作家の丸谷才一さんは「現代短歌の最高峰」と激賞するこの歌について、こんなゴシップを紹介している。・・・(音読:宮本ゆみ子

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2014.3.16

【産経抄】3月16日(音読:塚本美也子)

昭和22年4月30日早朝、山形県北部の酒田駅に大勢の外国人らが降り立った。いわゆる「東京裁判」の判事、検事、弁護人、通訳ら関係者、それに内外の記者らである。前夜東京をたった夜行列車で上越線、羽越線などを回り、乗り込んできたのだ。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.15

【産経抄】3月15日(音読:峰田雅葉)

日ごろ能弁な安倍晋三首相が、きのうの国会答弁では、珍しく下を向いたままお役人が書いた紙を棒読みしていた。慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」を安倍政権では見直さないと答えたが、顔に「痛恨の極み」と書いてあった。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.14

【産経抄】3月14日(音読:塚本美也子)

中国や韓国の反日宣伝のキーワードのひとつが、日本の社会の「右傾化」である。そもそも、政治的な立場の違いを「右」と「左」で区別するようになったのは、フランス革命からだ。国民会議で、議長席から見て右方に穏健派が、左方に急進派が議席を占めたことに由来する。つまり、言葉自体に否定的なイメージはない。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.13

【産経抄】3月13日(音読:根岸麻衣子)

平成20(2008)年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんは、クラシック音楽の大ファンだ。バッハ、ベートーベン、バルトークを好み、モーツァルト嫌いを公言してきた。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.12

【産経抄】3月12日(音読:宮本ゆみ子)

「真珠湾」から2日後の昭和16年12月10日、マレー半島東沖の南シナ海で日本と英国との海戦が起きた。マレー半島に上陸した日本軍を孤立させるため、戦艦2隻など英東洋艦隊がシンガポールから出撃した。これを日本の航空隊が迎え撃ったのである。・・・(音読:宮本ゆみ子

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2014.3.11

【産経抄】3月11日(音読:塚本美也子)

「奇跡のピアノ」によるコンサートが、東京都内のデパートで開かれている。3年前のきょう、福島県いわき市の中学の卒業式で役目を果たした後、津波にのまれ、地元の調律師の修復によってよみがえったものだ。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.10

【産経抄】3月10日(音読:根岸麻衣子)

「団塊の世代」は、作家の堺屋太一さんが、通産官僚時代に造った言葉だ。第1次ベビーブームの始まった昭和22(1947)年から24年生まれまでの世代を指し、1950年代前半生まれまで広げる場合もある。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.9

【産経抄】3月9日(音読:塚本美也子)

朝、目が覚めた「バカボンのパパ」は、世の中が一夜にして変わったことに腰を抜かす。ママもバカボンも「キャキャキャ」といったへんてこな言葉ばかり使う。それも口ではなく、手に持ったおもちゃのようなものが、しゃべっているようだ。・・・(音読:塚本美也子

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2014.3.8

【産経抄】3月8日(音読:宮本ゆみ子)

まもなく東日本大震災から3年になる。新聞もテレビも3・11は、震災一色になろうが、前日の3・10も日本人、ことに東京のお年寄りにとって忘れがたい一日である。昭和20年3月10日午前0時過ぎ、325機のB29爆撃機が東京に来襲、30万発以上の焼夷(しょうい)弾を投下した。・・・(音読:宮本ゆみ子

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2014.3.7

【産経抄】3月7日(音読:峰田雅葉)

幕末から維新にかけて、江戸の町の治安は悪化の一途をたどっていた。なかでも当時は「辻(つじ)斬り」と呼ばれた通り魔の跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)に、町民たちは恐れおののいていたという。当時の世相を知る人の談話を集めた『幕末百話』(岩波書店)にも、辻斬りから命からがら逃れた、商人の体験談が収録されている。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.6

【産経抄】3月6日(音読:根岸麻衣子)

毎朝、父親が高校生の娘を軽トラックで学校まで送っていく。父親は年ごろの娘に、何を話しかけていいのかわからない。3年間、無言の時間が過ぎていった。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.5

【産経抄】3月5日(音読:宮本ゆみ子)

帝政ロシア時代の1783年、女帝エカテリーナ2世は、トルコからクリミア半島を奪い、黒海に面した軍港、セバストポリを建設した。それから70年後、トルコを後押しする英仏軍とロシアとの間で、クリミア戦争が起こる。・・・(音読:宮本ゆみ子

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2014.3.4

【産経抄】3月4日(音読:根岸麻衣子)

先日行われた遠藤浩一さんのお別れ会で、遠藤さんと民社党時代からの同志だという西村真悟衆院議員は遺影に向かって『蛍の光』を歌い、手向けとした。といっても「蛍のひかり窓の雪…」で始まる1、2番ではない。戦後「消し去られた」3番だった。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.3

【産経抄】3月3日(音読:峰田雅葉)

日本最古の貨幣は、和銅元(708)年に発行された「和同開珎(わどうかいちん)」。この定説は、平成10年の夏に覆された。奈良県明日香村の飛鳥池遺跡で、「富本銭(ふほんせん)」と呼ばれる銅コイン33点が見つかったからだ。富本銭の埋まっていた地層から、7世紀後半に造られたことがわかる。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.3.2

【産経抄】3月2日(音読:根岸麻衣子)

亡くなったまど・みちおさんは明治42年、山口県の徳山(現周南市)で生まれた。その2年前、同じ山口県の山口市で中原中也が生を受けている。といっても2人の詩人に接点のようなものは見当たらない。それどころか、若い頃の生き方は対照的だ。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.3.1

【産経抄】3月1日(音読:峰田雅葉)

むかしむかし、春秋時代の中国でのお話。斉の桓公は、宰相である管仲らとともに孤竹の国を討伐したが、帰りに道に迷ってしまった。管仲あわてず騒がず、「老馬の知恵が役に立ちます」と言い、高齢の馬を放して後をついていくと、はたして道がみつかった。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.2.28

【産経抄】2月28日(音読:根岸麻衣子)

キャベツや白菜などの野菜には、農薬が使われておらず、アサリなどの貝類も、汚染されていない。安くて優秀な商品がどんどん入ってくる。手放しの礼賛を受けているのは、なんと中国である。隣の記事の見出しは、「パンダちゃんが来る」だ。・・・(音読:根岸麻衣子

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2014.2.27

【産経抄】2月27日(音読:峰田雅葉)

作家の北杜夫さんは、旧制松本高校から東北大学に進んだ。「そこの医学部にはよい教授が多いという理由より、なにがなし仙台という名に憧れたのである」。『どくとるマンボウ青春記』のなかで理由を語っている。・・・(音読:峰田雅葉

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2014.2.25

【産経抄】2月25日(音読:宮本ゆみ子)

たいていの図書館は、人気雑誌の最新号をカウンターで保管している。雑誌コーナーで誰でも手に取れるようにしていると、切り抜きや落書きの被害が後を絶たないからだ。日本人のマナーの低下の一例として、よく取り上げられる。・・・(音読:宮本ゆみ子

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産経抄

2014.2.24

【産経抄】2月24日(音読:塚本美也子)

評論家の大宅壮一は、昭和36(1961)年に、当時のソ連邦ウクライナ共和国を訪れている。「ウクライナの繁栄はソ連とロシアに負うところが多い」。首都のキエフで市民に話を聞くと、判で押したような答えしか返ってこない。・・・(音読:塚本美也子

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産経抄

2014.2.23

【産経抄】2月23日(音読:峰田雅葉)

レニングラード攻防戦は第二次大戦でも屈指の激戦として知られる。1941年9月、ソ連に侵攻したドイツ軍が今サンクトペテルブルクと呼ばれるこの都市を包囲した。いわゆる「兵糧攻め」で、市民たちは砲弾や飢えや寒さに苦しめられた。・・・(音読:峰田雅葉

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